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このご時世にバルサ役員6人辞任。
バルトメウ会長が窮地に陥った醜聞。
posted2020/04/18 08:00
text by
横井伸幸Nobuyuki Yokoi
photograph by
Getty Images
バルセロナのジョゼップ・マリア・バルトメウ会長が窮地に追い込まれている。
4月9日、19人いた役員のうち副会長のエミリ・ルソーとエンリク・トンバスを含む6人が一斉に辞任したのだ。
背景にあるのはラジオ局『SERカタルーニャ』が今年2月半ばにすっぱ抜いた「バルサゲート」と称されるスキャンダルで、以下がその要点である。
メッシや会長候補の中傷を委託?
・コンサルティングやデジタルマーケティングに携わるウルグアイの『I3 Ventures』社を雇い、2018年半ばからツイッターやフェイスブックを用いてクラブおよび会長に縁のある人々を誹謗中傷させてきた。
・誹謗中傷の対象は2015年に行われた会長選挙でバルトメウと争った人物、次の会長選挙に立候補を表明している者、メッシ、ピケ、グアルディオラ、シャビ、プジョルなどサポーターに対して強い影響力を持っている選手やOB。
・契約自体は『I3 Ventures』社側の中心人物が関係する6社との間で結ばれており、一契約あたりの金額は内部統制チェックが不要となる20万ユーロ(約2400万円)未満に抑えられていた。
・バルサは計100万ユーロ(約120億円)近く払った可能性があるが、同等のサービスの市場価格はその1/8~1/10程度とされている。
報道によりこの件を知った役員は立腹し、来年7月に予定されている会長選挙の前倒しを求めた者もいた。
バルトメウはそんな彼らの怒りを抑えるために、契約に直接関わったと報じられた自身の右腕(会長相談役)に停職処分を下し、第三者による監査を要請した。