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ライガー、Jrヘビーでの世界的活躍!
1994年に伝説となった、あの大会。
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2020/04/27 19:00
所属団体の枠を越えジュニアヘビー級のスター選手が勢揃いした第1回「スーパーJカップ」の大会終了直後の記念すべき写真。
ハヤブサの急成長にライガーが胸を貸した。
このワンナイト・トーナメントでは、他にも忘れられない活躍があった。
FMWに所属していたハヤブサである。当時、武者修行先のメキシコから戻って来たばかりだった。
身長もあり、未来を感じさせるものがあった。「慌てませんよ。ゆっくりやっていきます」そう語っていたハヤブサだったが、いざ、ライガーと対戦するとはやる気持ちを抑えることは難しそうだった。
ハヤブサは入場コスチュームのままライガーにドロップキック。そこからローリング・ソバットを放つと、トップロープ越しの人間魚雷トペ・コンヒーロをライガーに見舞ってみせた――本当にインパクトあるスタートだった。
失敗こそしてしまったが、ライガーにライガーの技であるシューティング・スター・プレスを仕掛けるという度胸の良さまで見せた。
ハヤブサは敗れたが、そのダイナミックな動きは高く評価され、後にFMWを背負っていく存在になっていった。
ライガーとの戦いでサスケは何倍にも輝いた!
ザ・グレート・サスケとの準決勝も、実に見ごたえのある試合になった。
ライガーはサスケをつり天井(ロメロ・スペシャル)で持ち上げると、さらなる変形を加える拷問技を繰り出していく。
サスケは場外のライガーに、メキシコ・アカプルコで有名な断崖からの決死のダイブから名付けられた後方伸身宙返り“ラ・ケブラーダ”を決めてみせた。さらに鉄柱から場外のライガーめがけて両手を広げて前方に回転するように飛んだのだ。
ライガーはサスケをハイジャック・バックブリーカーのように高々と担ぎ上げてから、パイルドライバーで叩きつけた!
こんな技の展開は見たことがなかった。
しかも、あのサスケが、飛び技を失敗するという……その時、ちょっと気が緩んだのだろうか、ライガーは唐突なサスケのフランケンシュタイナーでまるめ込まれてしまった。
こうしてサスケは準決勝でライガーに勝利した。
これは、みちのくプロレスの実力を新日本のファンにも認識させることになった。サスケの空中殺法はルチャリブレのファンでさえ驚愕するものだった。