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竹下佳江がVリーグ姫路に捧げた4年。
監督と子育ての両立、次の役割は?

posted2020/04/02 11:40

 
竹下佳江がVリーグ姫路に捧げた4年。監督と子育ての両立、次の役割は?<Number Web> photograph by Noriko Yonemushi

ヴィクトリーナ姫路での監督業と子育てを両立させていた竹下。「葛藤はあった」と4年間を振り返った。

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米虫紀子

米虫紀子Noriko Yonemushi

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Noriko Yonemushi

 兵庫県姫路市を拠点とするプロバレーボールチーム「ヴィクトリーナ姫路」は、4年間指揮をとった竹下佳江監督が、2019-20シーズンをもって退任することを発表した。新監督には、これまでコーチを務めてきた中谷宏大氏が就任する。

 竹下監督は現役時代、日本代表セッターとして五輪に3大会出場し、2012年ロンドン五輪では28年ぶりの銅メダル獲得に大きく貢献。翌年、現役を引退した。

「引退して、ノープレッシャーになり、子供と向き合ってゆっくり過ごしていた」という竹下に、まだ発足前だったヴィクトリーナは熱心にオファーをした。長男が産まれたばかりだったこともあり、1年以上断り続けていたが、最終的に引き受ける決断をし、2016年6月、チーム発足と同時に監督に就任した。

 ヴィクトリーナは2018-19シーズンにV.LEAGUE DIVISION2(V2)に参戦すると、いきなりV2優勝を飾り、チーム発足3年でV.LEAGUE DIVISION1(V1)昇格を果たした。V1初参戦となった2019-20シーズンは最下位に終わったが、2月に行われたV・チャレンジマッチ(入替戦)に2連勝し、V1残留を決めた。

 チームはまだまだ発展途上だ。今後はV1で対等に戦えるチームに、そしていずれは頂点を、と目標は広がる。今、竹下監督が退任を決めたのはなぜだったのか。

3年目で昇格「残ってほしい」。

 もともとは“3年”を区切りと考えていたという。

「最初は1年1年の契約にしてほしいという話をしたんですが、チームを作っていくには3年という時間は絶対に必要だという話をされて、その3年が昨季でした。自分はチームの土台作り、ベース作りのところまで、という思いが強くありましたし、『V1に上がったら終わろう』と考えていて、昨季、3年目でV1に昇格できたので、そこで一度『もう現場からは』という話をしました。でも今季(2019-20シーズン)はチームとしてV1に初めて上がるすごく重要なシーズンだったので、残ってほしいというオファーを頂いて……。

 自分がこの先、また指導者としてやることが100%ないかと言ったら、たぶんそうではないと思う。選択肢の1つには入っている。そう考えると、そういう(V1で指揮をとる)経験というのは誰もができることではない。それに、昨季の内定選手、つまり今季1年目だった選手たちが入ってきていて、その中には、私がいるから、私に教えてほしいからと言って入ってきた子もいました。そういう子たちを置いていけないなという思いもあって、とにかくこの1年間、自分ができることをやりきろう、伝えられることは伝えていこうという思いでやってきました。

 チームとしては、ここから本当に、チームスローガンである『姫路から世界へ』というところに向かっていく、転換期になると思います。ここで、1回私は引いて、違ったかたちでチームをサポートしていくのが理想なのかなと。また、バレーボールの普及活動や、さらに経験値を上げるためにバレーのいろいろな勉強をしていくのも必要なのかなと思って、退任を決めました」

【次ページ】 子育てをしながら指揮をとる。

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