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大型契約と組織のカルチャー。
MLBのFA、大物たちが即決した訳。
posted2019/12/21 11:30
text by
芝山幹郎Mikio Shibayama
photograph by
Getty Images
大リーグのウィンター・ミーティングが、盛況裡に閉幕した。1年前とは大違いだ。
2018年は、FA(フリーエージェント)の目玉といわれたブライス・ハーパーとマニー・マチャドの行く先がなかなか決まらなかった。ようやく決定したのは、春季トレーニングの時期になってからだ。
もちろん大型契約。ハーパーは13年総額3億3000万ドル(当時の為替レートで370億円弱)で、フィリーズに入団した。マチャドのほうは10年総額3億ドルでパドレス入りを決めた。ふたり合わせて6億3000万ドル。馬鹿馬鹿しくなるから、もう邦貨に換算するのはやめる。
総額8億1400万ドルの大金が動く。
今年も、大きな目玉が3つあった。スティーヴン・ストラスバーグ、ゲリット・コール、アンソニー・レンドンの3人だ。
その行方が、あっけないほどすんなりと決まった。
ウィンター・ミーティングが開幕したのは12月9日(月曜日)だったが、開幕当日にストラスバーグがナショナルズと契約した。契約金は、7年総額で2億4500万ドル。ついこないだまで在籍していた球団だから、虚を突かれた感もあった。
火曜日には、今年最も注目されていたコールがヤンキースとサインを交わし、水曜日にはレンドンがエンジェルスへの入団を決めた。
コールは9年総額3億2400万ドル、レンドンは7年総額2億4500万ドルの契約だ。3人合わせて、総額8億1400万ドルの大金が動く計算になる。代理人はすべてスコット・ボラスだ。
コールとヤンキースは、もともと因縁が深い。11年前、高校生だった彼は、ドラフト1巡目でヤンキースの指名を受けた。そのときは大学進学の意思が固く、条件提示を受ける前に誘いを断っている。