イチ流に触れてBACK NUMBER
イチローが学生野球の指導者に?
引退後の言動で読み解く、その真意。
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph byKyodo News
posted2019/12/18 11:50
12月13日から3日間にわたって行なわれた「学生野球資格回復制度」の研修会を真剣な表情で受講するイチローさん。
「小中学生には軟式の方が良い」と考える理由。
また、先日デビューを果たした草野球でも4度に渡った全体練習で打撃投手を務め、毎回200球近くを投げた。そして、言った。
「僕も中学までは軟式(野球)でしたけど、投げることは軟式の方が理にかなっているんじゃないかと思います」
軟式球は硬式球よりも約10グラム軽い。成長過程にある小、中学生が技術を取得するための反復練習には軟式の方が適している。イチローさんはそう言っているのだと感じた。
28年間にも及んだプロ生活。NPBでもMLBでも走攻守に於いて頂点に立ち続けたオンリーワンのプレーヤーだ。
時代を築き上げた経験と技術を自らの言葉で次世代に伝えたい。
そのための「学生野球資格回復研修会」参加。現役時代同様に備えに抜かりはない。実にイチローさんらしい行動だったと言える。