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第2回女子バロンドールは誰の手に?
本命ラピノーの対抗馬ハーダーの告白。
posted2019/11/30 10:00
text by
フランク・シモンFrank Simon
photograph by
Franck Faugere/L'Equipe
2019年の「バロンドール」受賞者が12月2日に発表される。創設2年目となる女子は、「ワールドカップ最優秀選手」に輝き、「FIFA最優秀選手賞」も受賞したミーガン・ラピノー(アメリカ)が大本命であるとされる。予想通りラピノーが受賞し、個人賞の3冠達成となるのか、それとも大番狂わせが待ち構えているのか……。
『フランス・フットボール』誌10月29日発売号では、昨年の第1回投票で受賞したアダ・へゲルベルグ(ノルウェー)に次ぐ第2位に輝き、今年も20人の候補者にノミネートされているペルニレ・ハーダーのインタビューを掲載している。
デンマーク代表キャプテン。ヴォルフスブルクのエースストライカーとしてリーグとカップの2冠を達成。チャンピオンズリーグでも準々決勝まで進み(リヨンに敗れる)得点王を獲得したハーダーだが、この夏のワールドカップはデンマークがヨーロッパ予選で敗退したために出場がならなかった。
フランク・シモン記者の問いかけに、ハーダーが答えた。失意に終わった去年の投票のこと、この1年のこと、そして今年の本命であるミーガン・ラピノーのこと……。ハーダーが語った。
監修:田村修一
「バロンドールは数ある個人表彰の中でも特別」
――昨年、投票結果が発表され、アダ・へゲルベルグに6ポイント及ばない第2位に終わったのがわかったとき、どんな気持ちでしたか?
「まず、自分がそこまで高く評価されたことが嬉しかった。受賞に限りなく近づいていたのだから。でもその後に、そこまで行きながら受賞できなかったことに失望を感じた。
ただ、気持ちとしては、女子バロンドールの第1回表彰で2位に選ばれた栄誉の方が強かった。もちろん選手としての本能は、常に1位を目指しているけれども……」
――男子のバロンドールから遅れること62年で、女子も初めて表彰されるようになったのはどう感じていましたか?
「最初に思ったのは、自分にとってまたとないチャンスだということだった。女子にもついに男子と同じ個人タイトルができた。バロンドールは数ある個人表彰の中でも特別なもので、選手である以上誰もが獲得を夢見ている。同じ夢を、女子もまた抱けるようになったことが嬉しかった」
――今年もまた獲得を願いますか?
「それはもちろん。他のタイトル(UEFA最優秀選手賞とFIFA最優秀選手賞)もそうだけど、候補に挙がった以上は選ばれたいと思う。受賞したら、どれほどの名誉であることか。でも、それは、クラブと代表でのコレクティブなパフォーマンスを発揮して、はじめて望みうるものであるから……。ああ、でも願望であるのは間違いない」