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横山典弘が語るデットーリの凄み。
「どんな騎乗をしても驚かない」
posted2019/11/20 18:00
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph by
Satoshi Hiramatsu
「楽しみで仕方がない」
そう語るのは横山典弘騎手(51歳)だ。
日本を代表するトップジョッキーのひとりである彼が楽しみにしているのは、いよいよに迫ったランフランコ・デットーリ騎手、通称フランキーの来日だ。
本来なら11月初旬には日本に着いている予定だった。しかし、来日予定直前に騎乗したオーストラリアのメルボルンCで騎乗停止処分。来日が延期になった事で、一時は“取り止め”の方向へ動いたようだ。しかし、結局、滞在期間を短縮しての来日が決定。ジャパンCの行なわれる今週末から短期免許での騎乗が決まった。
デットーリ騎手が来日するのは2011年以来。当時はデボネアに騎乗して日本ダービーに挑戦するための来日だった。今回は短期免許を取得しての日本競馬参戦となった。
横山騎手とデットーリ騎手は同世代で、若い頃から一緒に競馬にも乗っており、互いを認め合う間柄。今回の来日を前にイギリスでデットーリ騎手に話を伺うと、彼は武豊騎手の名前と共に横山典弘騎手の名前も挙げて、一緒に乗れるのが楽しみだと語った。ここで再び横山騎手の言。
「本当の天才はフランキーみたいな奴」
「本当の天才はフランキーみたいな奴の事を言うんだと思う。どんな大舞台でも慌てる事なく自分の騎乗が出来る。日本のファンの皆さんにも是非、彼の騎乗ぶりを見ていただきたいね」
具体的にどこがどう優れているのか? という点に関しては「感覚的な部分も多く、言葉に表すのが難しい」と続けたが、実際、デットーリ騎手のこれまでの実績を振り返れば、スキルがどうとかフィジカルがどうといった細かい説明はするまでもないだろう。
1970年12月、イタリア生まれの現在48歳。まだ16歳だった'87年にイギリス初勝利を挙げると翌々年には最優秀見習騎手賞を受賞。イギリスで自身初のGI勝利を挙げた19歳の時には年間勝利数が140を超え、伝説の名ジョッキーであるレスター・ピゴット元騎手以来となる10代での年間100勝突破という偉業を成し遂げた。