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大河正明と有森裕子が語り尽くす、
ユニファイドスポーツから見える夢。 

text by

田邊雅之

田邊雅之Masayuki Tanabe

PROFILE

photograph byRyuji Maekawa

posted2019/10/31 07:00

大河正明と有森裕子が語り尽くす、ユニファイドスポーツから見える夢。<Number Web> photograph by Ryuji Maekawa

左から、スペシャルオリンピックス日本の有森裕子代表、B.LEAGUEの大河正明チェアマン。

バスケコートはサッカーの17分の1の大きさ。

――Bリーグがスポーツに対する見方を変えることができたのは、バスケットボールが持つ特性も追い風になったのではないでしょうか。

大河「バスケットボールは、本当に身近じゃないですか。リングとボールさえあれば少人数でできるし、誰でもシュートやアシストを決められる。漫画の『スラムダンク』のように、1人ひとりが自分の性格や得意なところを活かしてチームに貢献できるのも特徴でしょうね」

有森「私が惹かれるのは『近さ』ですね。良い意味での空間の狭さが臨場感につながるし、独特な一体感を生み出している。これは何らかのメッセージを発信していく際に、とてもプラスになるんです。テレビで見るのではなく、実際に試合会場に足を運ぶことで、得られるものや感じられる要素があるわけですから」

大河「サッカーに比べると、バスケットボールのコートは17分の1の大きさです。バスケットボールの試合では、敵味方のファンが仲良く一緒に並んで応援している光景もよく見られますしね。ラグビーもそうですが、お互いのチームをリスペクトしながら共感が生まれていくのは、すごくいい伝統だと思います」

バスケットボール部出身という共通点が!

――おふたりには、バスケットボール部出身だという共通点もあります。

大河「私は巨人が強かった頃の典型的な野球世代で、周りはみんな野球部でした。でも自分は背が高かったし、野球と違ってバスケットボールなら誰でも活躍できる場面が回ってくるよと、先輩に誘われたんです。

 そして高校1年の時には、上級生の新人戦でベンチに入ることもできた。どんな役割をこなすのかなと思ったら、『相手をファウルで止めてこい』という指示を出されて(笑)。それでも楽しかったですね」

有森「私の場合は、小学校の時にポートボールを父が教えていた影響ですね。中学では陸上部に入りたかったんですが、少人数でグラウンドの端を走っているような状態だったので、バスケットボールを選びました。

 だけど基礎的なことはできても、応用編のチームプレーがあまり上手ではなくて。ボールを持つと前にドリブルするだけだったし、声のする方にパスしようと思うと、敵の選手にパスを出してしまうという(笑)。でも憧れの先輩がさっとシュートを決めるカッコよさや、みんなの前でヒーローやヒロインになれる高揚感は今でも覚えています。あのワクワクする感覚は、バスケットボールならではのものでしょうね」

【次ページ】 社会貢献を果たしているスター選手たち。

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