話が終わったらボールを蹴ろうBACK NUMBER
松井大輔が目をかけるドリブラー。
横浜FC・松尾佑介は五輪を目指す。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byGetty images
posted2019/09/25 18:00
東京五輪世代の前線はタレントの宝庫だが、松尾佑介もまた際立つ個性を持っている。
「対策されるレベルになったのはポジティブ」
この日の町田は松尾を2人がかりで止めにきた。最初の頃は松尾のことを相手が知らなかったので自由にプレーできたが、さすがにこれだけ活躍し、結果を出すと対戦チームは「松尾対策」を練り、潰しに来る。
「相手に対策されるところまできたというのはポジティブにとらえています。もうひとつ上にいくために試されていると思うので、それを乗り越えていきたい」
持ち味はスピードとドリブルだけではない。
クロスもシュートも相当うまい。
「1本入ってノっている時は入るなって感じなんですけど、今日のように接戦になると力んでしまって……。どんな時でも結果を出す選手が重宝されるんで、そういう選手になっていきたいです」
松井大輔が考える伸びしろ。
試合を追うごとに課題も出てきている。
この日も突破しようとする時に近くに味方の選手がフリーでいたり、周囲を使えばというシーンがあった。ドリブルにしてもスピードに頼り過ぎな面があり、もっと角度や緩急を使えばと思うところはある。
今はボランチだが元々ドリブラーであるチームの大先輩、松井大輔はこう話す。
「スピードだけでは上のレベルは通用しない。縦にいくだけじゃなく、ドリブルの切り返しとか入れていくとイイと思う。相手DFがついていけないから。あと、全体的にもうちょいメリハリをつけてプレーしていけばもっと良くなると思う」
松尾もそこは自覚している。
「ちょっとドリブルにしても正直すぎるなっていうのはあります。もう少し駆け引きの部分をやっていかないといけないですし、相手の嫌なところ、嫌なところを狙っていくことも必要ですね。あと自分で行くだけじゃなく、周囲の選手をもっとうまく使うとか。そこはうまくコミュニケーションを取りながらやっていきたい」
見えている課題を克服していけば選手として成長し、さらに視界が開けるだろう。