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高校テニスの酷暑は甲子園以上?
多数の救急搬送、日程改善は必須。 

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山口奈緒美

山口奈緒美Naomi Yamaguchi

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posted2019/08/19 11:55

高校テニスの酷暑は甲子園以上?多数の救急搬送、日程改善は必須。<Number Web> photograph by Kyodo News

テニスは屋外での俊敏な動きが求め続けられる競技だ。猛暑での環境下でのプレーはより慎重に考えてほしい。

東京五輪を再考のきっかけに。

 ただ、まだ日程は改善されそうもない。この大会直後には全国中学生選手権が控えている。16歳以下、14歳以下の部と出場者が重なり、過密スケジュールであることは変わりない。

 そんな中、こうしたイベントのあり方をイチから考え直すきっかけになりそうなのが、来年の東京五輪だ。来年のインターハイを受け持つのは北関東エリアと決まっていたが、オリンピックとパラリンピックが開催されることによって<例年通り>がかなわなくなった。

 まず、全体の開会式を約2週間後ろにずらし、開催期間も3週間から2週間に短縮しなくてはならない。また、北関東だけでは宿泊施設などの面で全競技を受け入れられないため、多くの競技を全国各地に分散させるという。

 ちなみにテニスは滋賀県での開催が決まった。インターハイの日程変更により、全日本ジュニアは8月末に移すそうだ。それが可能ならいっそのこと再来年以降もそうすればいいのだが、2学期にかかる日程は、定着させるわけにはいかないのだという。さらにトップジュニアたちは全米オープン・ジュニアに出場するため不在にもなる。

秋や涼しい土地での開催にしては。

 こうした大小の事情は、テニスのみならずあらゆる競技が抱えているのだろう。そんな中、伝統や慣例に逆らわざるをえない来年の夏は、将来の<選択肢>を増やす機会になると思うのだ。

 競技によっては日程を大幅に変更し、場合によっては秋開催とか、極端な話だが、屋外競技は毎年比較的涼しい土地に限るとか……。先延ばししてきた「そろそろ本気で考えるとき」は、もう今しかないのではないだろうか。

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