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菊池雄星が明かす“花巻東高校で甲子園優勝にこだわった理由”「監督を男にしたい」「岩手の選手だけで日本一に」 

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石田雄太

石田雄太Yuta Ishida

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photograph byAFLO

posted2021/08/13 11:00

菊池雄星が明かす“花巻東高校で甲子園優勝にこだわった理由”「監督を男にしたい」「岩手の選手だけで日本一に」<Number Web> photograph by AFLO

花巻東高校監督の佐々木洋監督にグータッチする菊池雄星(当時高3)

 メジャー1年目、前半戦の菊池はマリナーズのローテーションをほぼ守って、19試合に先発。4勝6敗、防御率4.94と、数字だけを見ると苦しんだ印象が残った。3月の日本での開幕シリーズでメジャー初登板を果たしてから3カ月、4月は勝ち星こそ1つだけだったものの安定したピッチングを見せていたが、5月下旬から4連敗を喫するなど、疲れを感じさせる。圧巻のピッチングを見せたこともあれば、一発に泣いたこともあり、味方のミスに足を引っ張られたり、援護がなく、勝ちに見放された時期もあった。自信のあった低めのストレートを右バッターにいとも簡単にスタンドまで運ばれ、日本で無双を誇ったスライダーには左バッターが踏み込んでくる。菊池はこう振り返った。

「いろいろと勉強できた前半戦だったと思います。行けるところまでは日本のスタイルで行こうと思っていましたが、10試合を過ぎて、日本のときとは変えていかなきゃ、と感じました。バッターのタイプも違いますし、それに伴って僕の努力の方向も変わってきます。たとえば日本ではストレートで押せたのに、メジャーでは平均的なカテゴリーのストレートになってしまう。となればストレートを動かすか、日本では投げなかったチェンジアップを使うのか……」

3年後にエースとして投げるための1年目

 日本ではストレートは低く、という意識が当たり前だったが、メジャーではバッターのスイングの軌道は低めのほうが合いやすく、求められるストレートはほとんどが高めになる。また、日本では1試合に2、3球だったチェンジアップを、今の菊池は1試合に20球ほど使っている。

「非常にレベルが高いので必要に迫られたんですけど、やっぱり、本当に必要に迫られないと変われないんだと思いました。チェンジアップは日本ではなかなか身につかない球種でしたが、今は自信をもって投げられます。きっと、日本では心のどこかでチェンジアップがなくても抑えられると思っていたんでしょうね。こっちでは、それがないと生き残れない。ストレートも、中4日で回った初めの10試合は全然、平気だったのに、10試合を超えたあたりから急に身体が動かなくなったんです。球速も平均で151kmだったのが、5kmも落ちて146kmくらいになったらバッターのところへ届くのが150cm違ってくるイメージなので、差し込めるはずがありません」

【次ページ】 初めて花巻東の練習を見学した日

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