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藤田菜七子が世界の舞台で戴冠。
その笑顔を、次は日本で見たい。 

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平松さとし

平松さとしSatoshi Hiramatsu

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photograph bySatoshi Hiramatsu

posted2019/07/04 08:00

藤田菜七子が世界の舞台で戴冠。その笑顔を、次は日本で見たい。<Number Web> photograph by Satoshi Hiramatsu

勝負の第5レースで総合優勝を決め、藤田菜七子騎手から白い歯がこぼれた。

有名女性騎手の中でも「負けないつもりで」

 そんなおり、呼ばれたのが今回のウィメンジョッキーズワールドカップだった。

「5レースも乗せていただけるので、何とか海外初勝利を挙げたいですね」

 控え目ながらもそう語って、現地スウェーデンに乗り込んだ。

 イギリスの女性トップジョッキーであるヘイリー・ターナー騎手は直前で来られなくなってしまったものの、ブラジルのトップジョッキー、J・アルベスやフランスのA・マサンなど、地元ではそれなりに名の通った女性騎手が一堂に会し、イベントは幕を開けた。

 レースが施行された日の前日にあたる29日にはウェルカムパーティーが行なわれ、それに先立ってプレスカンファレンスも開催。その時点ですでに現地入りしていた女性ジョッキーは皆、これに参加し、意気込みを語った。

「日本を代表するといったら大きいですけど、負けないつもりで頑張ります」

 その席で藤田騎手は力強くそう宣言した。

2レース目で掴んだ海外初勝利。

 レース当日の30日は気温24度の快晴。日向にいるとジワッと汗ばむ陽気の下、イベント対象となる5レースが行なわれた。

 最初の歴史的瞬間は2鞍目にやってきた。芝1400メートル戦でフランシスクスに騎乗した藤田騎手。スタートはあまり速くなく、後方からの競馬を強いられた。

「前半は腹をくくって慌てずに行こうと決めました」

 最終コーナーまで後方のインでジッと待機。直線を向き、フランシスクスの脚があるのを確認すると、まずは馬群の中へいざなった。狭いところに入っても上手にコントロールして、勝負どころではロスなく外へ出した。そして、追った。

「反応してくれたので、これならいけるかも! と思って追いました」

 そんな鞍上の思いに鞍下が応えた。ひと追いごとに伸びると、前を行く2頭をかわし、夢にまで見たであろう海外初勝利をついに手中にした。

「凄く嬉しかったです。また(日本とは)何か違う嬉しさを感じました」

【次ページ】 優勝が懸かった最終レース。

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