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<WWEのニューヒロイン>
カイリ・セイン「天国に誓うベルト」

posted2019/06/28 07:00

 
<WWEのニューヒロイン>カイリ・セイン「天国に誓うベルト」<Number Web> photograph by 2019 WWE, Inc. All Rights Reserved.

今年4月、WWE年間最大の祭典レッスルマニアで女子バトルロイヤルに挑んだ。

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堀江ガンツ

堀江ガンツGantz Horie

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2019 WWE, Inc. All Rights Reserved.

【プロレス総選挙THE FINAL 第9位】
“海賊姫”の異名を持つ小柄な女子レスラーは、WWEで瞬く間にスターへの階段を駆け上がった。ただし、その裏には過酷でシビアな日々がある。「死」をも意識したこの2年を、赤裸々に語った。(Number981号掲載)

「6月20日でアメリカに来て2年なんですよ。長かったような、短かったような。いろんなことがありすぎて、もう10年分くらいの経験を一気にしたような感じですね」

 そう語るカイリ・セインのこの2年の活躍は、目覚ましいものがあった。“メジャーリーグ”WWEと契約後、2017年の第1回メイ・ヤング・クラシック優勝に始まり、'18年8月にはNXT女子王座を奪取。そして今年4月、ついに“一軍”スマックダウンに昇格した。現在はASUKAとのコンビ「カブキ・ウォリアーズ」で、WWE女子タッグ王座を射程圏内に収めている。

 絵に描いたような順風満帆な航海。しかし、その裏では苦闘の連続だったという。

「この2年間、心から嬉しいと思えることもたくさんありますけど、辛く苦しい思いも人生でいちばんというくらい味わいましたね。最も苦労したのは、アメリカでの生活に馴染むということです。それなりに覚悟はしてきたつもりでしたけど、アウェイな環境で暮らすことが、どれだけ大変かを思い知りました」

 WWE入りすると、選手はまずフロリダ州オーランドにある「パフォーマンスセンター」に送られる。ここは言わば、“WWEスーパースター養成学校”。毎日、朝から晩まで、プロレスの実技はもちろん、マイクや演技にいたるまで、スポーツエンターテインメントを構成するすべての要素を学ぶ。身につけなければならないことは無限のようにあった。しかも、当時はまだ英語が身についていなかったカイリは、質問ひとつするのにも一苦労。他国の選手と違い、言葉という大きなハンデも存在した。

「あの頃は、とにかく毎日必死でしたね。周りと比べて『なんで自分はこんなにできないんだろう』と思って、どん底まで落ち込んでしまったこともあるんです。でも、(中邑)真輔さんやASUKAさんのアドバイスも聞いて、失敗しながら一個一個、諦めずにやってきた感じです。そして徐々に、人と比べるのではなく、自分にしかできないことを見つけようって、考えられるようになっていきました」

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