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西武ドラ1、松本航は生真面目だ。
一軍ローテ定着へ「もっと余裕を」。 

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市川忍

市川忍Shinobu Ichikawa

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photograph byKyodo News

posted2019/05/30 07:30

西武ドラ1、松本航は生真面目だ。一軍ローテ定着へ「もっと余裕を」。<Number Web> photograph by Kyodo News

5月19日のオリックス戦でプロ初登板初先発で初勝利を飾った。西武の新人投手では松坂大輔以来20年ぶりの快挙だ。

野球について考える能力が高い。

 4月14日、復帰後、初めてとなる実戦形式の練習で、自チーム相手のシート打撃に登板した。その3日後の17日、イースタンリーグのヤクルト戦でプロ入り初登板を果たす。復帰後の道のりは順調に見える。

「試合になると、たぶん気持ちが高ぶったり、抑えようとして力が入る。そんなことがないように、遅れを取って試合で投げられなかった時間は、自分の体を知ったり、フォームについて考える時間だと思うことにしていました」

 大学時代から続けてきたシャドウピッチングで、一軍デビューへ向けて準備を整えてきた。

 清川栄治ファーム巡回投手コーチは松本についてこう評した。

「大学時代、エースでありながらキャプテンを務めていただけあって視野が広いし、野球について考える能力が高いピッチャーです。コーチ陣のアドバイスや、ブルペンキャッチャーとの話し合いで、いろいろと方針を決めてきたのですが、そういう場でも自分の意見を言って、きちんと話し合いができるタイプですね」

新球スライダーの完成度も高い。

 一軍昇格の準備段階で、緩急をつけることの重要性に気づき、スライダーを習得した。

「大学までは真っ直ぐ、カット、ツーシームという速いボールの組み立てでやってきた。でも、ここへきてワンランク上のレベルでやるとなると、緩急が必要だとわかったんでしょう」(清川コーチ)

 ストレートやカットボールが思い通りに決まったイースタンリーグの横浜DeNA戦は7回無失点で相手を抑えた。しかし、一軍を見据えたときに、それだけでは手詰まりになると考えたのだろう。

 習得を試みてから、わずかな時間で、試合で投げられるまでに完成度を高めた。5月26日の試合では、その新球・スライダーで大田泰示から空振りを奪うなど、一定の効果は見せている。

【次ページ】 「自分の球をしっかり投げること」

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