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広島の新守護神に森保監督も注目。
大迫敬介が目指す「特別な存在」。 

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石倉利英

石倉利英Toshihide Ishikura

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photograph byJ.LEAGUE

posted2019/05/11 11:30

広島の新守護神に森保監督も注目。大迫敬介が目指す「特別な存在」。<Number Web> photograph by J.LEAGUE

リーグ開幕戦から広島で正GKの座を掴んだ大迫敬介。A代表招集の報道にも「まだ決まったわけではない」と冷静なコメントを残した。

「10人+スペシャルワン」

 良いときも、悪いときも経験に変えて成長を続ける大迫に、澤村GKコーチがアプローチしていることがある。

「『スペシャルワン』になろうと言っているんです。足技が求められる現代のGKは、とかくフィールドプレーヤーと同じ、1/11だと見られがちですよね。でも、GKだけがグローブをつけることができて、ユニフォームの色も違うのだから、『10人+スペシャルワン』になっていこうと話しています」

 かつてジョゼ・モウリーニョが自分自身のことを表現した「スペシャルワン(特別な存在)」であるために、澤村GKコーチは「GKは役者でなければいけない」と説く。

「チーム状態が悪いときは、怒り役になって鼓舞する。イケイケになり過ぎているときは戒め役になることも必要です。そのとき自分が一喜一憂していたら、適切な役を演じられない」

 大迫はさまざまな役を演じながら、特別な存在になる努力を続けている。

「澤村さんの言葉を聞いて、確かにそうだと思いました。GKは他の10人と一緒ではいけない。大人になって冷静に対処することはGKの役割の1つで、周囲と信頼関係を築くためにも大事だと思います。自分が試合の流れや雰囲気を感じてアクションを起こし、すべてをコントロールできるようになっていければ」

U-20W杯は選外もコパ・アメリカに?

 5月7日、23日開幕のU-20W杯に臨むU-20日本代表メンバーが発表されたが、大迫は選出されなかった。代わりに6月のコパ・アメリカでのA代表初招集が見込まれている。

 上のレベルに目を向けてからわずか半年で、そこに足を踏み入れることになる。

 翌8日、広島はホームでのACLグループステージ第5節で、広州恒大(中国)を1-0で下した。大迫は難しいバウンドのミドルシュートやハイボールを安定感抜群のプレーで処理し、完封勝利に貢献。視察に訪れていた日本代表の森保一監督は「落ち着いて、良いプレーをしていたと思います。自分のプレーだけでなく、連係、ディフェンスラインやフィールドの選手への声掛け等々、自信を持ってプレーしていた」と評価した。

 本人はU-20W杯のメンバーから外れたことについて「行きたかった気持ちはある」と正直に明かした。A代表初選出については「可能性があるのはうれしいですけど、まだ決まったわけではない」と慎重だったが、「代表のスタッフが視察に来ていることは知っていたし、そこで良いパフォーマンスを続けることで年代別代表だけでなく、A代表まで行ける可能性があるのは間違いなかった」と語るように、今季のプレーが高く評価されているのは紛れもない事実だ。

 勝っても負けてもブレることなく、最後尾でチームを支える千両役者として。19歳のスペシャルワンが、広島から世界へと歩みを進めている。

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