欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
長友佑都と香川真司が欧州初対決へ。
イスタンブールダービーの猛烈な熱。
posted2019/04/29 11:00
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
AFLO
世界三大料理の1つに数えられるトルコ料理を堪能しようと現地を訪れたとき、ふと思い立ってトルコのシュペル・リグの試合を観戦するのは簡単ではない。
チケットを購入するには、身分証明書などを登録したうえで初めて発行されるpassoligというカードが必要だからだ。基本的にはこのカードを持っている人のみがチケットを購入できる。その仕組みになったのは、トルコのサポーターの熱狂的なクラブへの愛が暴力やトラブルに発展してしまうのを抑制したいという思惑があるという。
そんなトルコのシュペル・リグのなかでとりわけ熱狂と興奮に包まれるのが、イスタンブールに本拠地を置く3強の間で繰り広げられるダービーだ。3強とはフェネルバフチェ、ガラタサライ、ベシクタシュというビッグクラブだ。現在はガラタサライに長友佑都が、ベシクタシュには香川真司が所属している。
肌感覚で触れたサポーターの情熱。
筆者も2月に行なわれたベシクタシュとフェネルバフチェによるダービーの取材で現地を訪れたが、スタジアムの1キロ以上前から警察が目をひからせ、両チームのサポーターが接触しないように細心の注意が払われて、スタジアムの外にも凍り付くような緊張感が漂っていた。
いざダービーが始まれば、ひとつひとつのプレーに対して、歓声やため息や怒号がわきあがる。試合はベシクタシュのホームであるボーダフォン・パークで行なわれたのだが、とりわけサポーターが興奮したのはゴール前にボールが入ったときだった。
シンプルなクロスボールにも熱狂したファンの声が響き渡る。ベシクタシュは今季のリーグの中で最も多くのクロスを送り込み、クロスからのゴール数が最も多いチームなのだが、それもボーダフォン・パークのサポーターのリアクションを見れば、納得がいく。
サポーターの情熱がピッチ上のサッカーに与える影響力の大きさは、シュペル・リグは世界屈指のレベルにある。