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タックル職人で、生粋のリーダー。
ラグビーW杯に間に合ったある男。
posted2019/04/24 17:00
text by
多羅正崇Masataka Tara
photograph by
Kyodo News
ラグビー最強国ニュージーランドの原石たちを粉砕した。
日本代表候補で編成した特別チーム「ウルフパック」が4月20日、千葉・市原で強化試合を行い、スーパーラグビーのハリケーンズの下部チーム「ハリケーンズB」を66-21で圧倒。この快勝劇でゲーム主将を務めたピーター・ラブスカフニの言葉は、充実感に満ちていた。
「今日の結果は満足しています。これまで積み重ねてきたハードワークによるものだと思います。メンバー外の選手たちも貢献してくれました」
今年2月初旬に始動した代表強化合宿は、6週間にわたる東京、千葉、沖縄でのハードワークを経て、3月下旬に「ウルフパック」としてニュージーランド遠征へ。初戦となったハリケーンズB戦には敗れたが、第2戦ハイランダーズB戦で初勝利を挙げた。
現在、日本代表候補は約60人いる。候補選手をサンウルブズにも送り込んで強化するが、本隊はジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC)率いるウルフパックだ。
代表資格を満たすのは夏。
ラブスカフニはこのウルフパック強化試合のここまでの全3戦にフランカーで先発。今回は日本代表のリーチマイケル主将が恥骨を痛めた影響もあり、ジョセフHCが「リーダーシップを評価している」というラブスカフニがゲーム主将を担った。
南アフリカ・ブルームフォンテーンに生まれた身長189cm、体重105kgの30歳は、2016年にトップリーグのクボタスピアーズに加入した。
ラグビーの代表資格の要件である「36カ月以上の継続居住」を満たすのは、本人いわく今年の7月下旬だ。
驚くべきは、来日4年目で代表候補チームのゲーム主将を任され、チーム内では堀江翔太、稲垣啓太、田村優、松島幸太朗らと共にリーダー陣に加わっていること。まだ日本代表資格がなく、キャップ数がゼロであるにも関わらずだ。