炎の一筆入魂BACK NUMBER
カープ復活を支える謙虚な新外国人。
流れを切り、長い回を投げる仕事。
posted2019/04/22 11:50
text by
前原淳Jun Maehara
photograph by
Kyodo News
開幕から5カード連続負け越しと予想外の低空飛行で、広島は4連覇を狙うシーズンをスタートさせた。
戦力が抜けた攻撃陣にばかり注目が集まるが、投手陣も奮わない。
週末に先発する大瀬良大地と床田寛樹を除くと、開幕5カードまでの15試合で、6回以上投げた先発投手は4月3日の中日戦で勝ち投手となった野村祐輔1人しかいない。先発陣の苦境で、自然と中継ぎ陣にしわ寄せがいっている。
投手の分業制が確立された野球界で完投数は激減しているが、「イニングイーター(多くのイニングを投げる投手のこと)」という言葉があるように、先発が長いイニングを投げる価値は今も変わってはいない。先発の早期降板はチームの戦いを難しくし、中継ぎに負担を強いる。
4月14日DeNA戦も、先発九里亜蓮が4回で降板した。試合は1-3の5回、2番手に上がったのは新外国人のカイル・レグナルトだった。
ロングリリーフ=第2先発ではない!?
開幕直後は勝利の方程式の一角入りも期待された左腕は、場面も状況も、タイミングもいとわず投げる役割を担っている。今ではチーム最速で登板数2桁に達した。
数ある役割の中で、この日任された役割こそは新境地。
昨年までは先発が序盤で崩れた場合、2番手には長いイニングを投げられる第2先発という立場の投手が登板することが多かった。
'17年は九里が第2先発などで9勝(5敗)、昨年はアドゥワ誠が6勝(2敗)を挙げた。
だが、今年の広島は第2先発=ロングリリーフではない。まずは「流れを切る」役割が求められているのだ。