【NSBC補講I】 池田純のスポーツビジネス補講BACK NUMBER
キッズスポーツキャンプin湘南、開催!
井上康生と五郎丸歩が伝えたかったこと。
posted2019/04/14 08:30
text by
池田純Jun Ikeda
photograph by
(C)ALL SPORTS COMMUNITY
2019年3月27日、28日の2日間にわたり、「第1回 キッズスポーツキャンプin湘南」が鎌倉パブリックゴルフ場と関東学院大学金沢八景キャンパスで行われました。
発起人は、柔道の男子日本代表監督の井上康生さんと、ラグビー元日本代表でヤマハ発動機ジュビロに所属する五郎丸歩さん、そして私の3人。
スポーツを文化としてもっと発展させていこう、スポーツをもっと楽しんでもらおう、といったディスカッションを3人で行っていく中で、まずは子どもたちのために何かできないものか、という話の中で企画が動き出し、3人ともに湘南エリアに住んでいることもあり、地元・湘南での開催となりました。
最終的には、小学4年から6年までの子供たち100人に、柔道とラグビーという複数のスポーツに触れてもらいながら、1泊2日の共同生活を行うプログラムを実施することとなりました。
初日、集合場所には400人近くの人が集まっていました。参加する子どもたちのご両親やごきょうだいが、井上さんや五郎丸さんたちに会えると思って、見送りに来ていたのです。
「ゴールデンエイジ」といわれる世代。
井上さんは、このキャンプの目的を、こう話します。
「我々は、スポーツを通じて、楽しさはもちろん、人との友情や絆、フェアプレイの精神、戦う心、目標や夢への挑戦など、『生きる力』を養わせていただきました。今度は未来を担う子どもたちの無限の可能性を引き出してあげられるような、そんなキャンプにしたいと思っています」
五郎丸さんにとっても、今回の試みは、スポーツ界への恩返し、という意味があると話しています。
「スポーツを通じて成長させていただいた者として、子ども達に自分たちの経験を伝えたい、スポーツ界に恩返しがしたい、と考えています。子どもたちには、キャンプを通じてさまざまな仲間たちと出会い、助け合い、挑戦し、絆を深めていく中で、仲間の尊さを感じながら成長してほしいですね」
小学4年から6年生に対象年齢を絞ったのは、この時期が子供たちにとって、「ゴールデンエイジ」といわれる成長期のど真ん中だから。欧米に比べて日本は、子どもたちがデュアルスポーツを楽しむ環境が遅れています。サッカーならサッカー、野球なら野球と、1つのスポーツに専念させる傾向が強く、子どもそれぞれの個性にあったスポーツに本当に出会えているのか、疑問が残ります。
そこで今回は、ラグビーと柔道、ふたつのスポーツに同時に触れてもらうプログラムとなりました。
それも講師陣は、井上さん、五郎丸さんを筆頭に、柔道は世界選手権王者の秋本啓之さんやアジア大会王者の吉田優也さん、朝飛道場館長の朝飛大さん、ラグビーは2007年のW杯に出場した大西将太郎さんや明治学院大学ヘッドコーチで7人制ラグビー元日本代表の石川安彦さん、五郎丸さんと同じヤマハ発動機ジュビロに所属し、元日本代表でもある山村亮さんや堀江恭佑さんなど、超一流のメンバーばかりをお2人が連れてきてくださいました。