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<対戦国研究>
川口能活「サウジアラビアが最も恐れた男の勝負論」 

text by

戸塚啓

戸塚啓Kei Totsuka

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photograph byKiichi Matsumoto

posted2017/08/31 16:30

<対戦国研究>川口能活「サウジアラビアが最も恐れた男の勝負論」<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto
考えたくはない。でも、考えなければならない。オーストラリア戦で勝てなかった場合のことを。かつてサウジと数々の激闘を演じてきた守護神に問う。最終決戦で勝つための心構えとは?

 実は国内屈指のサウジアラビア通である。

 2000年以降の日本代表は、サウジと7度激突している。そのうち5試合でゴールマウスに立ったのが川口能活なのだ。フィールドプレーヤーを含めても最多出場であり、ユース年代からサウジと対戦してきたのだから、歴代3位の国際Aマッチ出場を重ねたGKの肌触りは確かなものがある。

「1992年のアジアユースで、僕らは準決勝で韓国に1-2で負けたんです。サウジはその韓国にグループリーグで4-0、決勝でも2-0で勝ちました。どちらの試合も完璧と言っていい試合内容で、個のスキルはアジアで飛び抜けていました。実際に対戦したのは'96年のアトランタ五輪最終予選の準決勝が初めてで、このチームも攻守ともにスキがなかった。ただ、当時のアジアでは彼らのほうが力は上だったからか、変わったことはしないで正々堂々と戦ってくるイメージがあった。スカウティングと違うことはしてこないので、戦術的にハメやすかったというのはあります」

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