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<2団体所属の異端児が明かす>
飯伏幸太「狂気のプロレス伝道師の野望」 

text by

柳澤健

柳澤健Takeshi Yanagisawa

PROFILE

photograph byTakuya Sugiyama

posted2015/07/17 06:00

<2団体所属の異端児が明かす>飯伏幸太「狂気のプロレス伝道師の野望」<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama
少年時代、プロレスごっこでクラスメイトを沸かせた男は、いまや華麗な空中技の数々で、ホールの観衆を熱狂させる。天才が内に秘める狂気と、未来への壮大なる野心とは。

「夢が人の形をしている」と飯伏幸太を評したのは、女子プロレスラーの“さくらえみ”だった。

 均整のとれた美しい肉体。ふだんの優しい顔と、狂気さえ感じさせるリング上の表情との落差。恐るべき身体能力。アイディア溢れる飛び技やスープレックス。キックボクシングをやりこんだ人間だからこそ可能な強烈な打撃。そして、誰もが息を呑むほど危険な受け身。

 あれほど見事に、自由自在にプロレスができたら、どんな気分がするのだろう。'09年に女子プロレス大賞を獲得したさくらえみのような優れたプロレスラーにとってさえ、飯伏幸太は夢のような存在なのだ。


 1994年、小学5年生の時に「WAR対平成維震軍」のビデオを見た瞬間、飯伏幸太はプロレスに深く魅了された。

 体育館のマットの上で、友だちと4の字固めや逆エビ固めをかけあうことから始まり、わずか3カ月後にはドラゴン・スープレックスを繰り出していた。

 やがてプロレスごっこは校庭に場所を移す。固い地面にジャーマン・スープレックスやパワーボムで叩きつけられる危険な役割は、主に飯伏が担当した。はじめ5、6人だった観客は次第に増え、やがて数十人が飯伏の試合を見守った。

「毎日やっているうちに、どこまでやればケガをするかがだんだんわかってきた。自分が相手にケガをさせないように技をかけても、たいしてウケなかった。でも、自分が受けに回ってエグい角度で落ちると、『やばい、今度こそ(首を)やっちゃったんじゃないか!?』という声が聞こえてきたんです。『よし!』と思いましたね(笑)。プロレスでいちばん重要なのは、凄い技を受けて、観客にインパクトを与えること。その思いは今も変わりません。小学校の頃から、自分の“受け”には絶対の自信を持っていました」

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新日本プロレス、No.1宣言。

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