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キックの復活を予感させるKNOCK OUTの
初興行。~6試合中5試合がKO決着、
「倒す」という価値の復権~
text by
布施鋼治Koji Fuse
photograph bySusumu Nagao
posted2016/12/22 09:00
1R2分23秒でのKO勝利を果たした那須川は弱冠18歳。さらなる成長に期待がかかる。
しばらく余韻に浸りたい。
12月5日、東京・TDCホールで旗揚げした「KNOCK OUT vol.0」は素直にそう思わせてくれるキックボクシングイベントだった。全6試合中5試合がKO決着という試合結果だけからも、その興奮は容易に想像してもらえると思う。特筆すべきは全て実力が拮抗したマッチメークを組んだがゆえに生まれたKO劇だったということだ。
その中からベストバウトを選ぶならば、セミファイナルに組まれた那須川天心vs.ワンチャローンで決まりだろう。那須川はプロデビュー以来、16戦全勝(12KO)と無敗記録を更新中の現役高校生。今回国内では初のヒジあり・首相撲無制限のキックボクシングルールに挑んだ。ヒジなし・首相撲制限ありのいわゆるK-1系のルールとは相手との距離や試合の組み立て方が全然違ってくる。