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連日1万人を超す観客を動員。錦織ファンからテニスファンへ。~錦織敗退後も観客席が埋まる、という大切さ~
text by
秋山英宏Hidehiro Akiyama
photograph byHiromasa Mano
posted2016/10/26 09:00
錦織が姿を消した後も、21歳のキリオスが制した決勝までコロシアムは多くの観客で埋まった。
楽天ジャパンオープンのチケットは錦織圭人気で開幕前に全席完売。ところが肝心の錦織が2回戦で途中棄権し、主催者の日本テニス協会には緊急事態となった。錦織が見られないんじゃ、と購入者が来場せず、ガラガラの観客席で大会が進むことも想定できたからだ。しかし、連日1万人のファンがスタンドを埋め、1週間の入場者は8万3208人に達した。ニック・キリオス、ダビド・ゴファンの新鋭同士の決勝で、また、人気選手のガエル・モンフィスも登場した準決勝で、有明コロシアムの観客は生観戦のスリルを満喫したに違いない。
錦織が全米で準優勝した'14年を境に同大会の観客は様変わりした。チェンジエンドを除き移動ができないのがテニスの観戦マナーだが、それを知らずに歩く人が目立つようになった。一方で、白熱するチケット争奪戦の弊害か、年中行事として観戦に訪れていた昔からのファンは入場券が手に入りにくくなったと嘆く。