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日本人初の9秒台へ、桐生祥秀が見せた充実。~向かい風でタイムは出なかったが、9秒台ランナーを抑えて1位~
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph byKYODO
posted2016/04/21 08:00
前組までは2m近い追い風が吹いていたが、桐生の組では急転して、向かい風になる不運。
笑顔が好調ぶりを示していた。陸上男子短距離の桐生祥秀(東洋大)が、3月14日から約3週間の米国遠征を敢行。数々の収穫があったと笑顔を見せ、日本人初の100m9秒台へ、大いなる手応えをにじませた。
まずは3月18日にオレゴン州で行なわれた世界室内選手権。男子60m予選で自己ベストと並ぶ6秒59を出すと、準決勝では6秒56の自己ベストをマーク。朝原宣治の持つ6秒55の日本室内記録には0秒01及ばなかったが「冬の練習が間違っていなかった」と確信を手にした。
続いて向かったテキサス州にある名門ベイラー大では、昨年の世界選手権銅メダリストであり、自身と同じ'95年生まれのトレイボン・ブロメル(米国)らとトレーニングをし、刺激を受けた。