才色健美な挑戦者たちBACK NUMBER

アジア大会で完全復活を遂げた、ベテランスイマー・鈴木聡美が描く未来。 

text by

林田順子

林田順子Junko Hayashida

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photograph byShigeki Yamamoto

posted2018/09/05 11:00

アジア大会で完全復活を遂げた、ベテランスイマー・鈴木聡美が描く未来。<Number Web> photograph by Shigeki Yamamoto

心がけているのは、やっぱり笑顔。

 トレーニングはもちろん辛いです。私、思っていることが良くも悪くもすごく顔に出やすいんです。うれしいときは本当に笑顔ですし、辛いときは怒っているような顔をしてたり。トレーニングのときの顔なんて見せられないですよ(笑)。だからこそ心がけているのが笑顔。

 笑顔でいると自分の気持ちもどんどん明るくなりますし、モチベーションも上がってくる。それに笑顔で接すれば、向こうも笑顔で返してくれたり、笑顔の効果って周りの人にも影響するんです。だから、家族LINEで送られてきた姪のあの動画は面白かったなとか、そういうまったく関係ないことを思い返したりして、気持ちを晴れやかに、より楽しく競技ができるように心がけています。

 最近、オフのときによく考えるのは、東京オリンピック後のこと。終わった後、私は何をやっているのだろうとか、今何かやりたいことはあるかなとか、模索しているところです。表立った仕事よりは裏方だったり、頑張っている人のサポートができるような仕事がしたいなというのはちょっと考えていて。監督はそういうことに厳しくて、「競技が終わって何もできないようじゃ、社会人として恥ずかしい。競技は競技だけど、終わってからの方が重要なんだぞ」って昔から言われています。終わった後の方が人生長いですもんね。

 ただ、今年の日本選手権では、平泳ぎ50mで日本新記録も出せましたし、まだまだ速くなる自信があります。ベテランにはなりましたが、選手としてのピークなんて、自分で作るものなんじゃないかなと思っています。

鈴木聡美

鈴木 聡美Satomi Suzuki

1991年1月29日、福岡県生まれ。大学2年時の日本選手権女子平泳ぎの50、100、200mを制覇。4年時のロンドン五輪では、女子平泳ぎの100mで銅、200mで銀、400mメドレーリレーで銅と3個のメダルを獲得して注目を集める。その後、一時代表落ちを経験するも、'16年リオ五輪には出場。今夏開催のアジア大会では50mと100mを制し、平泳ぎ2冠を達成。ミキハウス所属。

毎回1名のゲストの「生き方」「人間性」にフォーカスし、そこにある「美しさ」をあぶり出すBS朝日の番組。ビジュアルだけではなく、精神的、健康的など様々な角度から“肉体に宿る美”を探ります。スポーツ総合誌「Number」も企画協力。

MC:浅尾美和

第19回:鈴木聡美(水泳)

9月7日(金) 22:00~22:24

2012年ロンドン五輪で日本女子競泳史上初の1大会3個のメダルを獲得した鈴木聡美選手。一躍注目を集める存在となったことで、彼女は長い間スランプに陥りました。今年に入り見事に復活を果たしたきっかけを紐解くとともに、持ち前のしなやかな泳ぎと笑顔を取り戻した“今”に密着します。

第20回:狩野舞子(バレーボール)

9月14日(金) 22:00~22:24

元バレーボール選手の狩野舞子さんは中学3年生で代表候補に選ばれるなど早くから才能を発揮、2012年ロンドン五輪では日本女子28年ぶりの銅メダル獲得に貢献しました。しかし、惜しまれながらも今年5月に現役を引退。30歳になり、これまでにない自然体の自分と向き合う彼女の日常に迫ります。

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