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控え中心でもこれほど強いとは!
盤石のベルギーに日本の勝機は? 

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井川洋一

井川洋一Yoichi Igawa

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posted2018/06/29 11:20

控え中心でもこれほど強いとは!盤石のベルギーに日本の勝機は?<Number Web> photograph by Getty Images

次々とワールドクラスの才能を生み出すベルギーは、サブメンバーもまたワールドクラスだった。

ターンオーバーしてもベルギーは一流だった。

 ティーレマンスをサポートしたのは、ある英国高級紙に「重戦車かつバレリーナ」と評された、タフで華麗なムサ・デンベレだ。トッテナムでも見せているように、この日も侵入してくる相手をハードに止め、ボールを持てば独特の間合いのドリブルでチーム全体に推進力を生み出していた。

 勝負を決めたのは、かつて18歳の頃にマンチェスター・ユナイテッドで衝撃的なデビューを飾りながら、その後に伸び悩んでいたアドナン・ヤヌザイだ。

 直前のシーズンにレアル・ソシエダで復調して2度目のW杯メンバーに入った23歳は今大会初先発の機会を得ると、後半6分に軽快なステップから左足を振り抜き、内巻きのシュートを左のトップコーナーに収めた。

 終盤に彼が交代で退いた時、アシスタントコーチのティエリー・アンリは、利き足は違えど、自身の現役時代の得意な形を彷彿とさせる一撃を放ったジーニアスの耳元に何かを囁いていた。きっと粋な祝福の言葉だったに違いない。

 前線の両翼とウイングバックの関係も面白かった。左ではマルアン・フェライニとトルガン・アザール、右ではヤヌザイとナセル・シャドリがタイミングよく入れ替わり、それぞれの持ち味をどちらのポジションでも遺憾なく発揮。

 特にエデン・アザールの弟は不慣れな左WBを難なくこなし、規律ある守備と爆発的な突破力を存分に見せつけていた。逆サイドのシャドリはひとつ内側のレーンに入った時に、真の脅威になっていたと思う。昨年11月の日本戦でもそうだったように。

2位の方がトーナメントは楽だった?

 あらためて言うが、彼らは全員、控え選手である。アザール兄やケビン・デブライネ、ロメル・ルカクらは間違いなく、日本との16強の一戦に先発するだろう。日本が善戦したとしても、ベンチからイングランドを下した精鋭たちが次々に投入されるはずだ。

 また赤い悪魔と呼ばれる欧州の強豪国はグループステージ最終戦に潔く勝って、より困難な道を選んだとも言える。トーナメント表を眺めると、グループGを2位で終えていた方が、8強以降の道のりは間違いなく易しいものだった。

 日本は、そんな相手にどこまでやれるか。ベルギー対日本、両者の命運を懸けた一戦は日本時間の7月2日27時にキックオフを迎える。

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