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錦織圭、シーズン折返し地点で16位。
ファイナルズへ逆転進出の可能性は?
text by
今田望未Nozomi Imada
photograph byGetty Images
posted2018/06/20 11:00
全仏では準優勝のティームに敗れたものの、復調ぶりを見せた錦織圭。トップ10入りも決して遠い話ではない。
年に1、2人は逆転トップ10入りしている。
シーズン終盤になると最終戦ボーダー付近の選手に対して、テニスファンが「逆転で最終戦出場も十分狙える」と評することが多くなるが、実際どのくらいの確率で可能なのか? 過去の結果から検証してみた。
2011年全米オープン以降のデータを参考にすると、過去6年間で全仏オープンが終了した段階でレースランキングトップ10にいた選手は、85%の確率でそのままトップ10でシーズンを終えている。
逆に言えば、15%、年に1人か2人は逆転でトップ10に食い込んでいることが分かる。さらに最終戦争いで言えば、過去6年間で全仏オープンが終了した段階でレースランキングトップ8にいた選手は、83%の確率でトップ8のままシーズンを終え、最終戦に出場している。
これを多いと見るか、少ないと見るかは難しいところだが、まだ入れ替えは十分にありうる。
10位台のポイントが密集なのも追い風か。
さらに今年は例年と傾向が異なっており、トップ選手の獲得ポイントが特徴的な分布を示している。
ここ6年間で全仏オープン終了時レースランキング8位の選手の獲得ポイントは、1725~2560ポイントで推移してきた。しかし、今年は1500ポイント(ジョン・イズナー)とかなり低い。
それだけではない。19位の選手の獲得ポイントはここ6年間で865~1135ポイントで推移しているが、今年は1055ポイントとやや高めなのだ。
なぜ19位という数字で比較したかというと、今年の19位にはあの元王者、ジョコビッチがいるからだ。
トップ10にいる選手が順当に勝ち上がりポイントを積み重ねていたBIG4全盛時代と違い、今はどの選手も継続して勝ち上がることができず、ポイントが分散した結果が10位付近の密集状態を生んでいると推測している。