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<歩みをとめない者たち>
料理人・西芳照がサッカー日本代表と故郷に注ぎ続ける愛情。
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byTakuya Sugiyama
posted2018/06/21 11:00
ロシアのサプライズは……たこ焼き!
今回、ロシアで考えているのが“たこ焼き”だという。
「ラーメンやお好み焼きを出してきましたけど、だいぶマンネリ化しているようにも思うんですよ。サプライズと言いますか、出したら歓声が上がるぐらいのものがないかってずっと考えているんですよね。たこ焼きってどうです? 今までにないのでどうかな、と」
場所がロシアだけに、何が入っているか分からない“外れたこ焼き”を用意するロシアンルーレットならぬ、ロシアンたこ焼きも検討中だとか。こうやってつくり手が楽しんでいるからこそ、食事するほうも楽しめるのだろう。
ブラジルでは和食、中華が中心だったが、今回は洋食を提供するために西が腕を認める後輩シェフも連れていくという。
西は言う。
「結果にあらわれるのが、やはり一番の喜びです。選手たちから“西さんたちが朝から晩まで頑張ってくれているんだから勝とうぜ”と言ってもらったこともあります。ちょっとでも選手のみなさんの力になれるように、一生懸命やっていきたいですね」
安心安全、愛情いっぱいの真心と、温もりを――。
ロシアのベースキャンプ地カザンは、きょうもライブクッキングでにぎわっているはずだ。笑顔いっぱいの食卓が、大舞台に向かう日本代表を後押しする。
西 芳照にし よしてる
1962年1月23日、福島県生まれ。京懐石の料理店などで修業し、'97年開設のJヴィレッジで総料理長を務め、'04年3月からサッカー日本代表専属シェフも兼任。W杯への同行は'06年ドイツ、'10年南アフリカ、'14年ブラジルに続き、今回のロシアで4大会連続。株式会社DREAM24代表取締役。