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復活の秘密は「痩せたので(笑)」。
なでしこ岩渕真奈が語る自信と手応え。
text by

了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph byGetty Images
posted2018/04/29 09:00

アジアカップでは大会MVPに。減量してキレを出しながら、欧州時代の当たりの強さも保てている。
2週間での全5試合フル出場に手応え。
その第3戦は1-1でなんとか引き分け、5位決定戦に回ることなくW杯切符を手に入れると、準決勝は中国を3-1で下し、決勝ではオーストラリアと再戦した。90分間押し込まれる展開の中、GK山下杏也加がPKを止めるなどして守備で耐え続け、84分横山久美の技ありゴールでかろうじて勝利した。
「優勝した実感があるかっていったらないし、自分たちはアジアチャンピオンだなんて言いたくないな、っていうくらい。私シュート1本ですよ! オーストラリア戦」
2度のオーストラリア戦で、岩渕はともにシュート1本に終わっている。
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それでも、ひとつ大きな収穫があった。2週間での全5試合にフル出場できたことだ。実はひとつの大会で全試合にフル出場できたのは、A代表に招集されるようになって初めてのことでもある。
「やっとだな、と。ずっと試合には出たかったですけど、以前のなでしこのときは正直割り切れていたというか。最初から出たいなとは思いつつも、守備とかできないし、途中から出て自分の役割だけ全うできたらいいかなと。でも、今のチームで途中からっていう選択肢は、自分の中で正直ない感じはあります」
バイエルン退団後、見事にリセットした。
'15年W杯までの代表では、澤穂希をはじめとする先輩たちの中で岩渕は“後輩”であり、スーパーサブ扱いから抜けきれなかった。加えて、いつでもどこかに故障を抱えていた。例えば'15年は1年間で3度も右膝を故障、万全に戦える状態ではなかった。
復帰しては故障を繰り返し、昨年3月末には当時所属していたバイエルン・ミュンヘンと話し合いの末、シーズン中の契約解除という形で帰国。都内でリハビリに専念したのちの7月、INAC神戸レオネッサに入団を果たした。
失意の帰国に見えたが、環境を変えたことで岩渕は見事にリセットされた。リハビリと、INACでの夏場の2部練習が自然と彼女を変えた。