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倒したい「邪念」を制してKO防衛。
村田諒太、ゴロフキン戦にまた前進。

posted2018/04/16 11:40

 
倒したい「邪念」を制してKO防衛。村田諒太、ゴロフキン戦にまた前進。<Number Web> photograph by Hiroaki Yamaguchi

鮮やかな右一発でブランダムラを仕留めた村田諒太。終了直後のインタビューでは「及第点」と振り返った。

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渋谷淳

渋谷淳Jun Shibuya

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Hiroaki Yamaguchi

 WBA世界ミドル級タイトルマッチが15日、横浜アリーナで行われ、チャンピオンの村田諒太(帝拳)が挑戦者の同6位エマヌエーレ・ブランダムラ(イタリア)に8回2分56秒TKO勝ち。初防衛に成功した。

 終わってみれば実力差が如実に出た試合だった。スタートの村田は無理をせず、相手のパワーやクセを確かめる作戦だった。

「1、2ラウンドは“ポイントいらない”と思っていた。相手は序盤に右を振ってくる選手。KO率が低いといっても、やっぱり100%で振ってくればミドル級だったらダメージは残る。それをもらったら意味がないというか、賢くない選択ですから」

 ところがふたを開けてみると、ブランダムラの分析にかかった時間はわずかだった。村田は初回終盤には早くも攻勢に出て、挑戦者にロープを背負わせるシーンを作る。

右ストレートの感覚をつかめていなかった。

 この日よかったのはジャブだ。最初に出したジャブが挑戦者の顔面をとらえると、すかさずボディへの右ストレートにつなげた。ブランダムラは村田の強打をもらうまいと必死に動いて抵抗する。後退しながらも何とかパンチを繰り出す姿に勝利への意欲を感じさせたが、チャンピオンを混乱させるほどの力はなかった。

 村田は3回に立て続けにワンツーを叩き込んだ。徐々にピッチが上がってきたように見えたものの、この段階で右ストレートの感覚はうまくつかめていなかったという。

「体が開いてから出るという感じがあった。野球で言うとバットを振るタイミング。ピッチャーとの問題ではなく、自分の打つフォーム上のタイミングっていう問題で、そこが合っていなかった」

 これを「途中で修正できた」というのが5回だ。今度はブランダムラのガードをこじ開けるような右を打ち込み、ボディブローにもつなげた。村田の主武器である右の調整が完了してしまったのだから、劣勢のブランダムラはたまらない。

【次ページ】 「倒さなかったら判定ばっかりって」

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