太田雄貴のEnjoy FencingBACK NUMBER
太田雄貴が平昌五輪で考えたこと。
マイナー競技“好循環”の作り方。
posted2018/03/01 07:00
text by
太田雄貴Yuki Ota
photograph by
August Bizzi
2017年夏、日本フェンシング協会会長に就任した太田雄貴。 11月のワールドカップ東京大会(高円宮杯)と12月の全日本選手権で前年比10倍以上の観客を集め、LEDパネル導入などメディアを巻き込んでの話題作りにも成功。2020年に向けて、フェンシングをよりメジャーにしていくための取り組みは好スタートを切った、といっていいだろう。
しかし、年が明けてしばらくは、大きな試合もなく、さらなるアピールをしていく機会は限られる。
だからこそ、若き会長は活動指針を常に頭に置きながら、次なる手を打つべく、積極的に世界と向き合っている。
しかし、年が明けてしばらくは、大きな試合もなく、さらなるアピールをしていく機会は限られる。
だからこそ、若き会長は活動指針を常に頭に置きながら、次なる手を打つべく、積極的に世界と向き合っている。
やはり「選手の活躍がすべて」です。
平昌五輪でのチームジャパンは、過去最高のメダル数を獲得し、大成功を収めた、といっていいでしょう。日頃の練習の成果を発揮した選手たちには大きな拍手を送りたいと思います。
そして、大会を通じて、改めて感じたことが一つあります。
「選手の活躍がすべて」、ということです。
さまざま感動を呼ぶシーンはありましたが、結果が出ているからこそ、人々の目が注がれ、競技の認知が高まっていく。これは厳然たる事実だと思います。
日本フェンシング協会としても、一番基本になってくる活動は、なんといっても現場の強化です。結果を出す選手が自然発生しやすい環境をどう作っていくか。フェンシングの場合は、海外での試合経験が一番の強化策となるので、交通費宿泊費を含めた海外遠征費をサポートするのが第一となり、年間予算のかなりの部分がそこに注ぎ込まれています。
実際、強化策は実ってきています。たとえば2015年の時点で、世界ランクトップ32のうち、国別選手数で日本は3人と世界で13番目だったのが、2017年の時点では17人と世界で5番目になっています。また若さでも、トップ32の平均年齢が27.6歳なのに日本は23.8歳。今活躍している選手は、2020年だけでなく、2024年でも金メダルを狙える位置にいられる、と考えていいと思います。