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懐かしのトレゼゲとサルガドに聞く。
現代欧州サッカー最強選手は誰?
posted2018/02/19 16:00
text by
高橋夏樹(Number編集部)Natsuki Takahashi
photograph by
Naoya Sanuki
1月、横浜近郊某所。
寒風のなか、ダビド・トレゼゲとミチェル・サルガドは寒さをものともせずに子どもたちとボールを追いかけていた。
言うまでもなく、前者は2001-2002シーズンにユベントスでセリエA得点王。後者は「銀河系」レアル・マドリーを右サイドバックとして支え、'99-'00、'01-'02年とCLを制した文句なしのレジェンドたちである。
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サッカースクールの特別講師としての来日を機に、彼らがNumber946号のためのインタビューに応じてくれた。テーマは、「自らと同じポジションの現役最強選手は誰か?」。CL決勝トーナメントが始まり、W杯も近づくなか、レジェンドの目で見どころを教えてもらおうというわけだ。
身振り手振りをまじえ、現役当時と変わらぬ金色の長髪をなびかせての熱血指導を終えたサルガドは快活だった。うまそうにビールを飲みながら質問に耳を傾け、開口一番にダニエル・カルバハル(レアル・マドリー)の名を挙げた。
「彼は攻守のバランスが優れている。スペインのSBは攻守両面で優れた能力が求められ、チームの戦術に幅をもたらせるんだ。DFに、攻撃ばかりでなくきちんと守備を重視する意識が浸透したことは、スペインが強豪国になれた一因だ」
ロベカルがさらに上がりたがるから(笑)。
自身の現役時代と似たタイプの右SBとして、レアルの後輩の名前が出たのは納得だ。そして相方となる左SBにも共通点があった。「超攻撃的なブラジル人SB」、すなわちロベルト・カルロスとマルセロだ。
「僕ももともとは攻撃が好きで、前に行きたいタイプだったが、ロベルトはさらに上がりたがる(笑)。結果、バランスを考えてアグレッシブに守るスタイルになったね」
SBというポジションの意味合い、スペインとブラジルのSB文化論と、議論はとどまるところを知らない。