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田中将と自主トレの楽天・藤平尚真。
新フォームで2年目の覚醒、見えた!
text by
田口元義Genki Taguchi
photograph byGenki Taguchi
posted2018/02/06 11:30
今季から、常時セットポジションで投げることにした藤平。田中からのアドバイスで、先発ローテ定着を狙う。
藤平が、さらなる成長のためにとった行動とは?
藤平自身、シーズン中に何度か「二段モーションと受け取られる可能性がある」と、審判団から注意を受けていたことを気にはしていた。
それが解消されたとなれば、自分が最もしっくりくるフォームを探求し、固めることができるというわけだ。
藤平が大きく頷く。
「二段モーション問題が大丈夫なのであればピッチャーは有利だと思う。しっかりと軸足でためを作ればバッターを見る余裕も出てきますし、冷静に投げることができる」
昨季、高卒ルーキーながら3勝を挙げ、その能力の高さは証明済みである。しかし、シーズン終了後の藤平の言葉を手繰り寄せれば、満足していないことがわかる。
「自分をもっと知って、どんな練習をすればいいのか? というものをもっと理解していかないと、これ以上の成長はないと思う」
成長。
そのために藤平は、オフにアクションを起こした。
「田中さんたちとさせていただきたいんです!」
「来年の自主トレは、田中さんたちとさせていただきたいんです!」
藤平はヤンキース・田中将大に「弟子入り」する意思を、二軍投手コーチの小山伸一郎に伝えた。
現役時代に田中らに兄貴分として慕われていた小山はパイプ役を承諾し、藤平の願望はかなった。
「楽天に入ったからにはぜひ参加したかったので。私生活から練習まで見せていただくことができたのは、自分にとっては本当に大きくて。この経験を絶対に生かしたいです」