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2016年ドラフト1位組の◯と×。
頑張り過ぎて故障する新人の悪癖。
posted2017/12/30 17:00
text by
田口元義Genki Taguchi
photograph by
Naoya Sanuki
2016年のドラフト1位をめぐる争いは、とても興味深いものだった。
創価大の田中正義と桜美林大の佐々木千隼。
「ドラフトの目玉」と衆目を集めていた両選手に、半分近くの球団が名乗りを上げた。
ロッテ、ソフトバンク、巨人、日本ハム、広島の順に田中を指名し、ソフトバンクが交渉権を獲得。すると今度は日本ハム、広島、巨人、ロッテ、DeNAが「外れ1位」として佐々木を選び、ロッテがくじを引き当てた。
単独指名は6球団。つまり、競合した球団全てが、田中か佐々木を指名したわけだ。
皮肉であり、プロ野球の面白さなのかもしれないが、'10年に1位指名を受けた日本ハムの斎藤佑樹や西武の大石達也がそうだったように、複数球団が競合した即戦力のドラフト注目選手が、必ずしも1年目から他を納得させるほどの成績を出せるわけでもない。
単独指名の選手が主に力を発揮した。これが、'16年ドラ1組の特徴だった。
チームの勝利に1年目から貢献したドラ1たち。
「〇」(5選手)
楽天 藤平尚真(横浜/投手)……8試合 3勝4敗 防御率2.28
<寸評>シーズン終盤には、2度の大型連敗を止める大仕事で先発ローテに定着。
オリックス 山岡泰輔(東京ガス/投手)……24試合 8勝11敗 防御率3.74
<寸評>ドラフト1位で唯一のオールスター出場。8月26日の西武戦でプロ初完封。
日本ハム 堀瑞輝(広島新庄/投手)……4試合 0勝1敗 防御率3.38
<寸評>9月29日の楽天戦で藤平と投げ合い5回1失点。先発、中継ぎで経験を積んだ。
阪神 大山悠輔(白鴎大/内野手)……75試合 打率.237 7本塁打 38打点
<寸評>9月1日の中日戦で、球団新人では'64年の富恵一以来53年ぶりに4番で出場。
DeNA 濱口遥大(神奈川大/投手)……22試合 10勝6敗 防御率3.57
<寸評>新人唯一の2桁勝利。日本シリーズ第4戦で8回1死まで無安打投球を披露。