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ベルギー戦で日本は何を見せるのか。
親善試合で結果よりも大切なこと。
text by
寺野典子Noriko Terano
photograph byGetty Images
posted2017/11/14 08:00
日本の唯一のゴールを生んだ槙野智章。選手たちはブラジル戦にどんな感覚、手ごたえを感じているのだろうか。
プレッシャーの責任はFWか、DFか。
浅野拓磨は、ベンチで見ていた前半を振り返る。
「前半は相手のDFラインがボールを持ったときに、なかなかプレッシングに行けていなかった。相手が巧かったり狙いがうまく行かないときに、ちょっとビビってしまうじゃないけど、前から行きにくい部分があるのはわかる。もしそのときに自分がピッチにいても、同じ状況になっている可能性もあると思う。負けている状況で何が必要かとなったときには、食らいつくという気持ちの部分で見せていかないとダメだと感じていた」
これはどんなチームでも議論を呼ぶテーマだが、FW陣が前線からプレッシャーを掛けなければ、DFラインを高くはできないし、逆にDFラインが高くなければ、FWはプレッシャーにもいけない。そのあたりの意識統一については、酒井の言葉がわかりやすい。
「大事なのはプレッシャーをかけ始めるところ。試合中に前と後ろとで意見が違うことは絶対に起きる。そこを統一してかないと。いい守備ができないと、いい攻撃もできないので。アジア予選だったら対処できた場面でも、ブラジル相手だとピンチになる」
興梠「前から行かないとチャンスはつくれない」
チームの意識統一のかじ取りについて、「自分の責任」と話すのは長谷部誠だ。
「前から行ったときに結構ボールも取れていたので、それを続けたいと思う反面、ボールの失い方が悪くカウンターを受ける場面もあって、下がってブロックを作って守るのか、少し統一しきれなかった。そこは個人的に責任を感じている」
クサビを受けてためを作るはずの大迫も、相手DFへの対処に苦労しているようだった。同じ1トップでの起用が予想される興梠慎三の見解はこうだ。
「身体を当てるポストプレーというのは、僕も得意としているプレー。でも相手は強いし、身体を当てたときの対応も違う。だから、難しいかもしれないですね。そこでサコ(大迫)も苦しめられたと思う。裏をつくシーンがいくつか作れたらよかったとは思います」
そんな興梠の発言の中に、興味深いものがあった。
「やっぱり昨日の試合もそうだけど、高い位置でボールをとらないと、ああいうチーム相手にうまく決定機を作ることはできない。もちろん前ではがされたりボールを失えばピンチになるけど、前からいかないとチャンスは作れない。相手にやられないためには、後ろへ引くべきだと思う。でも勝ちに行くのなら、前から行かないといけない。時間帯によってのその使い分けが大切」