猛牛のささやきBACK NUMBER
「過去の栄光引きずってましたね」
オリ吉田凌が乗り越えた“あの頃”。
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byKyodo News
posted2017/10/12 07:00
一軍初登板はほろ苦いものとなったが、二軍では安定した成績を残したのも事実。吉田凌は来季を飛躍の3年目とできるか。
「過去の栄光をだいぶ引きずっていましたからね」
投球の幅が広がった今、ストレートがさらに力を増せば一軍でも戦えるはずだ。
昨年はよく「あの頃の自分に戻りたい」と言っていましたが? と聞くと、「過去の栄光をだいぶ引きずっていましたからね、自分」と笑った。
「昨年は、真っすぐにも変化球にもここまでつかめたものがなかったから。でも今年は、自分なりにいいなーと思う部分が多くなっている。そういう(戻りたいという)気持ちが薄れていることはいいことだと思います」
プロ2年目の収穫は何より、過去の自分を、新しい自分が超えたという手応えをつかんだこと。もう後ろを振り返ることなく、前だけを向いて歩いていける。