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運と偶然に溢れた10万本の本塁打。
数え間違い、踏み忘れ、メモリアル。 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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posted2017/10/08 08:00

運と偶然に溢れた10万本の本塁打。数え間違い、踏み忘れ、メモリアル。<Number Web> photograph by Kyodo News

うっかりのベース踏み忘れが、まさか10万号本塁打への伏線になる……とはマレーロも思ってもみなかっただろう。

王さんは巨人の全本塁打の8.7%を打っている。

 10万本の本塁打を球団別にみるとこうなる(10月3日時点。旧球団名も含めたもの)。カッコ内の数字は試合数と、1試合当たりの本塁打数=HR/Gだ。

巨人 10008本(10329試合 0.969)
西武 8789本(9157試合 0.960)
中日 8576本(10338試合 0.830)
ソフトバンク 8431本(10181試合 0.828)
オリックス 8242本(10344試合 0.797)
広島 8105本(9107試合 0.890)
阪神 7848本(10353試合 0.758)
日本ハム 7826本(9619試合 0.814)
ヤクルト 7680本(9107試合 0.843)
ロッテ 7575本(9141試合 0.829)
DeNA 7513本(9107試合 0.825)
近鉄 6540本(7252試合 0.902)
楽天 1163本(1847試合 0.630)
その他 1741本(5474試合 0.318)
計 100037本(121356試合 0.824)

 巨人はNPBの10万本に先立つ3日前の9月26日、球団通算1万号本塁打を達成した。節目のホームランを放ったのは中井大介だった。1936年創設以来、日本プロ野球を引っ張ってきた「球界の盟主」は、日本プロ野球の全本塁打から見ると約1割を打っていることになる。

 王貞治は巨人の全本塁打の実に8.7%に当たる868本を1人で打っている。巨人のメモリアル本塁打で見ても2000号、3000号も王が記録している。

 しかし5000号は投手の槙原寛己だった。槙原は898回打席に立っているが、プロでの本塁打は1985年に打ったこの1本だけ。超ラッキーだ。こういうのが、記録マニアにはうれしい。

西武でも1万号を打つのは7~8年後か。

 2位は西武。“おかわりさん”こと中村剛也は、昨年最終盤に清原和博を抜いて、球団最多本塁打となり、現在356本塁打をマークしている。チーム全体で見た場合、西武が1万号を打つのは7~8年先になるだろう。

 なおこれまでの本塁打を年代別に見てみると、こうなる。最後の数字はHR/Gだ。

1936年~1949年 2653本(9976試合 0.266)
1950年~1959年 9575本(17380試合 0.551)
1960年~1969年 12862本(16368試合 0.786)
1970年~1979年 15881本(15600試合 1.018)
1980年~1989年 17453本(15600試合 1.119)
1990年~1999年 14751本(15812試合 0.933)
2000年~2009年 16723本(16858試合 0.992)
2010年~2017年 10139本(13762試合 0.737)

【次ページ】 スラッガーの台頭、球場の拡大化、そして統一球。

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