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トップ下回帰でのデビュー戦ゴール。
本田圭佑、ミランでの轍は踏まない。

posted2017/08/26 07:00

 
トップ下回帰でのデビュー戦ゴール。本田圭佑、ミランでの轍は踏まない。<Number Web> photograph by AFLO

本田圭佑はやはりトップ下でこそ最大の能力を発揮する選手だ。日本代表での起用法も今後注目だ。

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西川結城

西川結城Yuki Nishikawa

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AFLO

 歓喜と落胆は、紙一重。

 本田圭佑がメキシコ・パチューカでのデビュー戦でゴールを決めた。その瞬間、こんな言葉が頭をよぎった。

 すぐに目に浮かんだ光景がある。今から約3年半前。2014年1月、冬のイタリア・サッスオーロは厳しい寒さで覆われ、夜霧が立ち込めていた。CSKAモスクワからミランに移籍した本田が、初めて名門の一員としてピッチに立った試合。あの時も今回のパチューカデビューと同様に、後半途中からの出場だった。

 その83分だった。中盤でボールを持った元イタリア代表のモントリーボからパスが送られる。ペナルティエリアの外側で受けた本田は、前を向くと左足を一閃。低い弾道のシュートがゴールに向かったが、無情にも右ポストに直撃した。

 この試合、ミランは逆転されてビハインドの展開だった。ところが本田が投入されると、攻撃は活性化。そんな流れの中で迎えた好機だった。残念ながら、新天地での初陣を自らのゴールで飾るという理想的な結果には結びつかず。そして試合後、アッレグリ監督は解任された。

アッレグリが1試合でいなくなったのは誤算だった。

 本田はミランでの3年半について、潔く「失敗に終わった」と語っている。誰が見てもうまくいかなかったことは、目立った結果を残せなかったことからも明らかだ。ただ、彼にも少しだけ、嘆き節があった。

「イタリアでいろんな意味で歯がゆさも味わったことは間違いない。ただ、結果を出せなかったことに対する自分への評価は、表裏一体なところがある。アッレグリから始まり、セードルフ、インザーギ、ミハイロビッチ、ブロッキ、そしてモンテッラ。監督がころころと代わってしまったことはマイナス面もあったけど、戦術に長けたイタリアでこれだけの監督のやり方を見られたのは、ある意味財産。

 ただ、アッレグリに関してはたった1試合で代わってしまった。そこは正直、自分の中でもかなり想定外なところがあった」

【次ページ】 アッレグリは、本田の中央起用を考えていた。

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