野球善哉BACK NUMBER
甲子園開幕戦、サヨナラ劇の裏側。
彦根東がこだわった“一、三塁”の形。
text by
氏原英明Hideaki Ujihara
photograph byKyodo News
posted2017/08/08 17:30
波佐見の捕手・山口裕聖のタッチをかいくぐった彦根東の原晟也。今夏の甲子園は、劇的な展開で幕を開けた。
「最後のプレーは目いっぱいで素晴らしい」
かくして、公立校同士の開幕戦は彦根東がサヨナラで制した。
私学優勢が伝えられる昨今の高校野球事情にあって、彼らの戦いぶりは決して私学勢に劣っているとは感じさせなかった。それほどレベルの高い試合だった。
実際に得永監督も、同じ立場にあること意識し、その上で実力を出し合った試合だったと振り返っている。
「いいゲームだったと思いますし、最後のプレーは目いっぱいで素晴らしいボールを返しました。彦根東さんは私たちの持ち味でもある粘り強さを発揮されました。ウチが普段から目指している野球をされていたので、常に怖さを感じていました。ただ、私たちには勝てるゲームであったので、生徒に申し訳ない」
第99回大会はベストゲームから幕を開けた。