分かりやすいサッカーも、難しそうな将棋も奥深い。

太地：面白い表現で、ためになります。話は大きく変わるんですが、今回初めて柏レイソルのスタジアム（日立台）を訪れたんですが、これだけファンが近いと応援はすごく力になりますよね。

航輔：僕たちは慣れている状況ですけれど、相手にとってはいつもとは違うと思います。ただ将棋では、そんな大声援あったら困っちゃいますよね。

太地：ただ、あの声援もうらやましいなと思います。サッカーは経験者でなくても応援しやすいですからね。ただ将棋の場合はルールを理解しないと難しい、というのが弱点なんですよね。だから今はお昼ご飯に何を食べたとか……。

航輔：そっちの方が話題にされますもんね（苦笑）。

太地：ただ、入り口としてはいいかなと思っています。そこからどんどん将棋の深いところに引っ張り込んでいければなと。

航輔：僕も将棋が大好きですけど、本当に奥深い世界ですよね。中継を見ていると「こうして、こうなれば詰みですね」と解説されていますが「えっ、ここから詰ませられるの？」と思っちゃいますから（笑）。

太地：確かに「負けました」って言ってる局面が「負けてないじゃん！」って思われることは多いです。

航輔：サッカーだと「ゴールに入る」というのが分かりやすいですからね。単純だから面白いと同時に、難しいからこそ分かる奥深い面白さもあるわけじゃないですか。だから……僕ももっとわかりたいですね……将棋を！

太地：サッカーとともに、ぜひお願いします（笑）。

中村航輔Kosuke Nakamura

1995年2月27日、東京都北区出身。柏U-12からU-18でプレーし、2013年にトップ昇格。2015年にレンタル移籍した福岡で頭角を現し、翌年柏に復帰して正GKの座を確保し、リオ五輪代表としても戦った。2017年には日本代表にも招集された。

中村太地六段Taichi Nakamura

1988年6月1日生まれ、東京都府中市出身、故･米長邦雄永世棋聖門下。2011年には史上2位となる年間勝率.851（40勝7敗）を挙げ、その年の将棋大賞の勝率一位賞を受賞した。またNHKの「将棋フォーカス」などテレビ番組にも出演している。