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ボクシング三浦隆司、33歳の岐路。
不器用な元王者は完敗に何を思う。
text by
渋谷淳Jun Shibuya
photograph byGetty Images
posted2017/07/18 11:25
王座陥落から2年弱かけて辿りついた世界戦で、再びの敗戦。三浦隆司は現役を続行するのか、それとも……。
三浦も33歳、ダメージも感じさせる。
この日はセミで、内山高志(ワタナベ)のV12を阻み、再戦でも返り討ちにしたWBA世界スーパー・フェザー級“スーパー”王者のジェスレル・コラレス(パナマ)が登場。負傷判定勝ちながら防衛を成功させた。
スーパー・フェザー級はトップにWBO王者のワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)が君臨し、他3団体の王者がこれを追跡する構図となっている。
今後はこのクラスのタレントたちが、統一戦を含めたビッグマッチを展開していく流れだ。三浦も勝っていれば主役の1人になっていたはずだが、今回の敗戦で脱落した感は否めない。
アメリカやメキシコで世界タイトルマッチを戦い、その力量を海外でも認めさせた三浦も気が付けば33歳になった。初回、それほど強くは見えないパンチでダウンした姿には、激戦を重ねてきたボクサーならではのダメージも感じさせた。
「今までは負けた試合でもダウンを取ったり、見せ場を作ったりしたけど、今回は完封されましたから。気持ちをどう持っていくか」
2011年に内山に初めて世界挑戦をして叩きのめされてから6年半。朴訥な語り口と、決して器用とは言えないファイトスタイルでファンを魅了し続けた好漢が、ボクシング人生の岐路に立たされた。