“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
鳥栖からブンデス入りの鎌田大地。
「わがまま」だった高校時代は……。
posted2017/07/16 08:00
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph by
J.LEAGUE PHOTOS
20歳の若武者は、海を越えてもその才を存分に発揮している。
サガン鳥栖から日本代表のキャプテン・長谷部誠が所属するフランクフルトに移籍をしたMF鎌田大地は、来季に向けて始動したチームに合流すると、7月4日のヘフトリヒとの練習試合でスタメン出場を果たした。
立ち上がりの4分に相手マークを剥がす動きで裏のスペースに顔を出し、ボールを受けると正確なラストパスで先制弾をアシスト。挨拶代わりのプレーを見せると、18分には今度は頭で追加点をアシスト。2アシストという最高のデビュー戦を飾り、早くも期待の戦力として注目を集めている。
京都の東山高校から2015年に鳥栖に入団した時は、ルーキーイヤーの4月8日に行なわれたナビスコカップ(現・ルヴァンカップ)の新潟戦でトップチームにデビューし、5月10日の松本戦でJ1リーグの初陣を踏んだ。以降、トップ下やボランチとしてコンスタントに試合に出続け、1年目でリーグ21試合出場3得点をマーク。
2年目となった昨年はスタメンに定着し、リーグ28試合出場で7得点をマーク。3年目の今年は背番号が24から7に変わり、絶対的な存在としてチームに君臨。そして、6月にフランクフルトに4年契約の完全移籍が発表された。
高校時代は、最前線のストライカーだった。
鳥栖での鎌田のイメージは“パサー”だが、高校時代は全く違った。パスももちろん非凡なものを持っていたが、彼が最前線で仕事をするストライカーだったことは、あまり知られていない。
それもそのはず、彼の高校3年間は、全くと言って良いほど無名の存在だったからだ。
G大阪ジュニアユースから京都の古豪・東山高校に進学した彼は、センターフォワードとして1年時から出番を掴み、高2で一気にその才能を開花させた。
彼はプリンスリーグ関西で“無双”と形容するに相応しい活躍を見せたのだ。背番号14を背負い、180cmの高さとフィジカルの強さを持ちながらも、アジリティーとずば抜けたボールコントロール、シュートバリエーションに秀でた万能型ストライカーとして、前線で大暴れした。