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則本昂大はなぜ三振を求めるのか。
損得勘定を超えた、投手の本能。
text by
Number編集部Sports Graphic Number
photograph byNanae Suzuki
posted2017/07/14 12:15
記録継続中の8試合の成績は7勝0敗。三振を取るだけでなく、勝てる投球を続けた点に則本の記録の価値がある。
三振は、損得勘定の外側にある。
しかし、直後に大引啓次にセーフティスクイズを決められ同点とされると、6、7回にも失点を重ねて7回6失点で降板。連日の熱投の疲労からか終盤には明らかに球威が落ちていたが、試合後は「状態は悪くなかった」と気丈に振る舞った。それよりも「勝てなかったことが悔しい」と、チームが3連戦に負け越したことに肩を落とす。
三振を取りたい、勝ち星を挙げたいという気持ちは昭和の時代から投手の中に息づく本能だろう。平成生まれの則本の中にも損得勘定だけではない、投手としての本能が生きている。
それは何事にも効率の良さが求められる現代に、逆行するものでもある。特に先発投手は近年、ボールを動かして少ない球数で長いイニングを投げることが是とされてきた。そんな風潮の中で則本はなぜ、三振を取りに行くのだろうか――。
Number931号「奪三振主義2017」では、3年連続パ・リーグ最多奪三振にして8試合連続2桁奪三振の日本新記録を樹立した則本昂大に「なぜ三振を取るのか」「どうやって三振を取るのか」という疑問をぶつけています。詳細は石田雄太さんの原稿「新・奪三振王の哲学」を、是非本誌でお読みください。