ドイツサッカーの裏の裏……って表だ!BACK NUMBER
ブンデスのスポンサー戦線に異常が!?
18クラブのメイン企業を総チェック。
text by
遠藤孝輔Kosuke Endo
photograph byAFLO
posted2017/07/09 09:00
バイエルン・ミュンヘンの胸には、燦然と「T」のマークが輝いている。IT時代の象徴的なクラブの1つと言えるだろう。
下位でもエミレーツ、フォルクスワーゲンなど大企業が。
<アウクスブルク>
WWK(保険)
年間スポンサー料:300~450万ユーロ 契約満了:2018年
'15年4月にメインスポンサー契約を結び、同年夏にホームスタジアムのネーミングライツも取得したのがミュンヘンに本社を構える保険会社。年間スポンサー料は1部リーグで最小規模だが、スタジアムの外観(配色)をリニューアルするなど資金提供のみに留まらない支援を行っている。
<ハンブルガーSV>
エミレーツ(航空)
年間スポンサー料:750万ユーロ 契約満了:2019年
レアル・マドリー、パリSG、アーセナル、ミランなどメガクラブとも契約を結ぶ一大スポンサー企業のエミレーツは、'06年夏からハンブルクをバックアップしている。'15年夏に契約延長した際、同社のシニア副会長は「ドイツ国内の顧客、ハンブルク市民のために、積極的に支援したい」とコメント。
<マインツ>
ケマーリング(化学)
年間スポンサー料:450万ユーロ 契約満了:2018年
'09年夏からメインスポンサーを務めていたエネルギー会社『エンテガ』との契約満了後、新たなスポンサー探しが難航していたが、'15年夏に世界22カ国29箇所に拠点を持つ化学製品メーカーとスポンサーシップを締結。今シーズンは3年契約の最終年となる。
<ヴォルフスブルク>
フォルクスワーゲン(自動車)
年間スポンサー料:2000万ユーロ 契約満了:-
ヴォルフスブルクはここ数シーズン、このオーナー企業から年間スポンサー料を含む約1億ユーロの援助を受けてきた。しかし、'15年に排ガス規制に違反する不正が発覚し、フォルクスワーゲンの経営状況が悪化。今シーズンから2000~2500万ユーロほど、年間予算が削減される見込みだ。
<シュツットガルト>
メルセデス・ベンツ銀行(金融)
年間スポンサー料:750万ユーロ 契約満了:2019年
言わずと知れた自動車メーカーのグループ企業が、ドイツ南部の名門をバックアップしている。ホームスタジアムの名称は「メルセデス・ベンツ・アレナ」で、この本拠地の目と鼻の先にメルセデス・ベンツ博物館が建っている。
<ハノーファー>
ハインツ・フォン・ハイデン(住宅建設)
年間スポンサー料:500万ユーロ 契約満了:2020年
地元ハノーファーに本社を構える住宅建設会社、ハインツ・フォン・ハイデンが'14年6月からメインスポンサーを務めている。当初の契約は3年間(年間スポンサー料は400万ユーロ)だったが、昨年末にクラブと'20年6月までの延長に合意した。
スポンサーという観点に立てば、最大の注目クラブはやはりブレーメン。オランダのフィテッセから獲得した(保有権はウェストブロムウィッチ)チャン・ユニンが主力として活躍し、チーム目標であるヨーロッパリーグ出場権の獲得に貢献するようなら、“中国バブル”が訪れるのは必至だろう。ここ10年ほど、財政難に苦しんできたクラブが転機を迎えている。