藤田俊哉の日欧蹴球比較論BACK NUMBER
欧州で指導を学び、日本を見守る。
藤田俊哉「予選突破はまず問題ない」
text by
藤田俊哉Toshiya Fujita
photograph byToshiya Fujita
posted2017/03/22 11:00
オランダでの指導者生活も3年目に入った。藤田俊哉の夢は、世界一の監督になることである。
日本代表のW杯出場も、コンディションが大事。
さて、3月23日からW杯アジア最終予選が再開する。日本代表の予選突破の鍵は、やはりコンディション調整になるだろう。Jリーグがスタートしたばかりの国内組と、リーグ戦の終盤を迎えている海外組ではコンディションに大きな違いがでる。チームの大半を占める海外組選手のなかには、クラブでの出場機会が極端に少なくなっている選手もいるので、さらに複雑だ。
ハリルホジッチ監督は、ゲームコンディションが整っている選手をスタメンで起用するように舵を切った。監督の目指す戦術では縦への速さ、力強さがこれまで以上に求められてくる。
前半戦ではコンディションに不安を抱えている選手が多く、戦いに問題が生じた。それでも尻上がりに調子を上げ、苦しみながらも前半戦を2位とし、首位サウジアラビアと勝点10で並んでいる。4位のUAEまでは勝点が拮抗しているが、予選突破の可能性を大きく広げた。
アジアのサッカーを、日本が牽引して欲しい。
日本代表の予選突破はまず問題ないだろう!
油断しているわけではない。正直な私の思いは、アジア予選で躓くような日本代表など見たくないということなのである。さらっと予選を突破して、本大会で世界の強豪と対等に勝負する日本代表を見たいと願っている。
「アジアのサッカーは、常に日本が牽引しているのだという姿を見たい」
ただそれだけなのだ。日本はアジアサッカーにおけるリーダーなのだと証明したい! それには当然結果も必要となるわけで、アジアでは躓いてほしくない。
どの世代でも日本代表が世界大会で活躍し結果を残せば、必ず世界から注目が集まる。そのあとには今以上に指導者も海を渡るチャンスが広がることは間違いないと感じている。
先日フェンロを訪れてくれた、あるJ1クラブの強化部長さんが「今は選手だけが欧州で勝負する時代だけど、それと同じように指導者も世界で活躍できるようになったときには、日本サッカーは更に大きく成長して行くだろう」と話してくれた。近い将来、必ずそんな時代を作りたいと強く願っている。