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82億円で“パパ”がシートご購入!?
F1史上最強のお坊ちゃま新人、現る。
text by
尾張正博Masahiro Owari
photograph byGetty Images
posted2017/03/12 08:00
3月のバルセロナ合同テストではクラッシュを連発したストロール。批判の声を結果でかわせるか、開幕戦に注目だ。
セナのように個人広報をつけてストロールを支援。
今回のテストでは、さらにドリームチームともいうべき、贅沢なサポートが準備されていることが明らかになった。それは「チーム・ストロール」の存在だ。
メディアからのプレッシャーに対して上手く対応するため、チームの広報以外に、個人広報を専属で雇ったのだ。その広報とは、かつてウイリアムズでナイジェル・マンセルやアイルトン・セナとも仕事をした経験があり、F1界の大御所とも言える存在であるアン・ブラッドショーだ。
近年のF1では、どのチームにも広報が複数いる。したがって、ドライバーが個人広報を持つのは、極めて稀である。個人広報を雇った最初のドライバーはアイルトン・セナ。その後もミハエル・シューマッハーとセバスチャン・ベッテルぐらいのもの。
フェルナンド・アロンソもルイス・ハミルトンも、いまだ個人広報をつけたことはない。しかも、セナ、シューマッハー、ベッテルも、個人広報を持つようになったのは、チャンピオンに輝いてから。デビュー前から個人広報を雇ったのは、F1史上初めてのことだ。
ハミルトンの専属だった大物トレーナーもゲット。
広報以外にも、もうひとり強力なサポートが「チーム・ストロール」に加わっている。それはトレーナーのヴィッレ・ヴィホラだ。
F1ドライバーは運転が上手いだけでなく、時速300km以上のスピードと、最大5Gとも言われる加速度に耐えながら、ミリ単位でF1マシンを正確に操作しなければならない。そのため、どのドライバーもトレーナーやフィジオ(理学療法士)を雇って、トレーニングをし、体調管理を行っている。
したがって、ストロールがトレーナーを雇うこと自体は驚くべきことではない。ただし、それがヴィホラとなると話は別だ。なぜなら、ヴィホラは2014年から昨年まで3年間、ハミルトンの専属トレーナーを務めていた大物だからである。