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昨年はCS、今年は「日本一」――。
DeNA田中健二朗、見えつつある頂点。
 

text by

日比野恭三

日比野恭三Kyozo Hibino

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photograph byKiichi Matsumoto

posted2017/02/02 07:00

昨年はCS、今年は「日本一」――。DeNA田中健二朗、見えつつある頂点。<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

かつての甲子園優勝投手である田中。左のセットアッパーの地位を確立した27歳にとって試金石のシーズンが始まろうとしている。

「2017年は優勝という意識を常にもちながら戦いたい」

 1年前、2016年の目標として、そこまで堂々と「日本一」と掲げられただろうか。そう尋ねると、田中は遠い目をして言った。

「(球団オフィシャルの)イヤーマガジンに選手を紹介するコーナーがあるじゃないですか。あそこには“優勝”って書いたんです。だけど、どっちかっていったら日々やっていくことに必死でしたね。2017年は優勝という意識を常にもちながら戦いたい。そういう人間が1人でも増えてくれれば、絶対近づいていくと思うので」

 後日、イヤーマガジンの田中のページを開いてみた。そこにはサインとともに、自筆の“優勝”という2文字が書かれていた。とてもおとなしい筆跡で――。

 田中はこうも言う。

「1年間やる(一軍で活躍する)っていうのは、もう当たり前のことになってくるので。そこに照準を合わせるんじゃなくて、コンディションの波を少なくしていかなくてはいけない。もちろん、今年やってきたことは継続しながら、筋力アップもしつつ。そんなことをやっていければと思います」

 過去8年、ずっとできなかったことが、1年できると「来年は当たり前」になる。チームとしても、ラミレス監督は「今年もCS出場を目標にしているようなら5位に終わる」と言っていた。

 後退は許されず、進化が前提のプロの世界。CS進出の先にあるリーグ優勝、そして日本一は遠いのか、近いのか。とにかく行ってみるまでは、わからない。

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