錦織圭、頂への挑戦BACK NUMBER
“早めのフェデラー”はむしろ幸運?
全豪、錦織圭の挑戦者スイッチON!
text by
山口奈緒美Naomi Yamaguchi
photograph byAAP Image/AFLO
posted2017/01/17 17:00
フェデラーやマレーらと早々の対戦となるが、「先のことは考えてません」と一試合ごとにこだわる集中力を見せている錦織。
2回戦の相手は、錦織のジュニア時代の好敵手。
クズネツォフとは、昨年の全仏とウィンブルドンで対戦してストレートで連勝しているが、「あそこまでフラットで打ってくる選手もあんまりいない。速いコートだと大変になる」と少々苦手意識も抱いていた。
結局、第4セットのタイブレークで、勝利まであと2ポイントというところまで迫りながら第5セットに持ち込まれるという大苦戦となった。
最後は経験からくる自信で集中力の差を見せ、3時間34分を要してこの嫌な初戦を突破した。
2回戦の相手は世界ランク72位のジェレミー・シャルディ。
ジュニア時代は2つ年上のこのライバルに3戦全敗した錦織だが、プロになってからは立場が逆転し、2014年以降は3連勝している。1回戦で対戦したニコラス・アルマグロが第1セット途中で棄権したためにわずか23分で初戦を終えたシャルディだが、錦織は「これが3、4回戦だったら恨みますけど、1回戦なのでそんなに問題はない」と周囲が気にかけたハンデを否定した。
前哨戦のブリスベンの決勝で違和感があったという臀部の容態が心配されたが、1回戦でその部位を気にするようすはまったく見られず、コンディションは万全だという。
この試合に不安要素は見当たらない。
フェデラー戦までは、比較的安泰だが……。
続く3回戦で当たる予定だった第26シードのアルベルト・ラモスビノラスは、すでに消えている。
あとはフェデラーの勝ち上がりを待って、世界中のテニスファンが注目するテニス・キングとの試合に今度こそは勝ち、そこで勢いに乗って新王者に挑むだけだ。