錦織圭、頂への挑戦BACK NUMBER
世界の“ポスト錦織世代”が大阪に!
錦織圭がジュニア選手に与える好影響。
text by
山口奈緒美Naomi Yamaguchi
photograph byHiromasa Mano
posted2016/10/27 11:30
デビスカップ2016大阪で、錦織に肩に手をおかれて写真に納まる綿貫。この大会では、日本を代表する選手たちと一緒に過ごす貴重な体験を得た。
今のジュニアたちは錦織よりも注目度は上!?
錦織が「世界スーパージュニア」に出場したとき、その15歳の少年はすでにテニス関係者の間では大きな期待を寄せられた存在だったが、それでも記者会見にいた記者とカメラマンの数は10人弱だった。今回の綿貫の記者会見にセットされたような複数のテレビカメラは存在しなかった。
ひょっとすると、あの頃の錦織よりも今のジュニア選手のほうがメディアの前に出ることや〈ちやほや〉されることには慣れているのではないか――。
また、男子で活躍する少年は必ずといっていいほど“錦織二世”“ポスト錦織”という肩書きを背負わされることにもなる。ざっと思い浮かべるだけでも綿貫が5人目くらいではないか。
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綿貫はそう呼ばれることについては「なんかすいませんって感じです」と恐縮しているが、気負いすぎていないところはいい。
「プレッシャーはないですね。錦織さんはあまりにも遠すぎて。僕にはあんな才能ないし、テニスのタイプも全然違う。『誰だ、こんな間違い書いたの』って思ってました。うれしいですけど、錦織さんみたいになりたいとは簡単に言えない。でも盗めるものはなんでも盗みたいという気持ちはあります」
デビスカップでは、念願だった錦織への質問も。
先月のデビスカップでは日本チームに帯同し、念願だった錦織との接触、接近を叶えた。
全米オープンでは「機会があれば、錦織さんにはいろいろ聞いてみたいことがある」と言っていたのだ。実際聞いてみたのだという。
サーブやレシーブのときは何を考えているのか、自分が今、不安に思っていること、感じていることなども。
「レシーブのコツとか考え方とか教えてもらいました。言葉以外に態度で見せられたことも多かったです。練習前のアップの方法とか、集中力の高め方とか。聞いても、笑ってごまかされたこともありますけど(笑)」