フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
羽生4ループ、宇野のギネス認定……。
GP開幕控え、フィギュア人気が沸騰中!
posted2016/10/06 11:30
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph by
YUTAKA/AFLO SPORT
シニアGP大会の初戦を3週間後に控えた現在だが、すでにジュニアGPシリーズ、Bクラスの試合が世界各地で開催され、本格的なシーズン開幕に向けて盛り上りを見せている。
中でも羽生結弦はかねてから宣言していたように、試合で初の4回転ループを成功させたニュースで、世界中のファンが注目している。
羽生の4ループ成功、そして衣装初披露も。
9月30日からカナダのモントリオールで開催されたオータム・クラシックで、羽生はSP、フリーともに4ループを降りた。
これまで何度も彼がアイスショーやエキジビション、公式練習で見せていたこの4ループ、試合で成功させるのは時間の問題ではあった。それにしても、これまで世界で誰もクリーンに降りたことのないこのジャンプを、羽生はあっけないほど簡単そうに成功させた。
今シーズンのプログラムの衣装も、ここで初公開。
SP『レッツ・ゴー・クレイジー』では白を基調としたボディスーツに、グレイと臙脂色の混ざったベストを合わせたもので、プリンスのステージ衣装を意識したデザイン。
フリー『Hope & Legacy』では鮮やかなグリーンからブルーへのぼかしの入った上半身に黒のパンツ。肩の白いフリルと上半身全体にあしらわれた細かいスパンコールが華やかな印象の衣装だ。
GP大会に向けての課題を口にした羽生。
もっとも初戦のここは、あくまで新プログラムの足慣らしである。SP、フリーともにミスも出た。
SPでは予定していた4サルコウが1回転になり、続けた3トウループで転倒。滑り終わると納得のいかない表情で、テイクオフをした氷の上を確認しに行った。
フリーでは冒頭の4ループ、続けた4サルコウがきれいにきまったが、予定していた2回目の4サルコウが3回転になり、4トウループで転倒。最後の3ルッツでも転倒した。
総合スコアは260.57と自己ベストには遠く及ばないながらも、余裕で優勝。試合終了後には、4ループの成功よりもまず失敗に対する悔しさを口にした。
「でも今の悔しさは、落胆したり落ち込んだ悔しさではなく、前向きな悔しさと自分の中では感じている」と彼らしく、自分の心の中を分析。
羽生にとってGP初戦となるスケートカナダまであとおよそ1カ月となったが、
「この状態から本当に(一皮ではなく)10くらい皮が剥けたなと思えるくらいこの1カ月で追い込んでいきたい」と言葉を結んだ。
難易度をぐっと上げてきた新構成のデビュー戦として、十分な手ごたえを感じさせる初試合だった。